映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」ネタバレ感想
目次
初めに
こんにちは、レクと申します。
2018年映画初めは「キングスマン:ゴールデン・サークル」でしたが、邦画初めは今作「DESTINY 鎌倉ものがたり」になります。
この記事はネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。
作品概要
製作年:2017年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:129分
映倫区分:G
・解説
「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、同作の原作者・西岸良平のベストセラーコミック「鎌倉ものがたり」を実写映画化し、堺雅人と高畑充希が年の差夫婦役で初共演したファンタジードラマ。幽霊や魔物、妖怪といった「人ならざるもの」が日常的に姿を現す古都・鎌倉。この地に居を構えるミステリー作家・一色正和のもとに嫁いできた亜紀子は、妖怪や幽霊が人と仲良く暮らす鎌倉の街に最初は驚くが、次第に溶け込んでいく。正和は本業の執筆に加え、魔物や幽霊が関わる難事件の捜査で警察に協力することもあり、日々はにぎやかに過ぎていった。しかし、そんなある日、亜紀子が不測の事態に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。正和は亜紀子を取り戻すため、黄泉の国へ行くことを決意するが……。主演の堺、高畑と同じく山崎監督作初参加の安藤サクラ、中村玉緒をはじめ、山崎組常連の堤真一、三浦友和、薬師丸ひろ子ら豪華キャストが集結した。
DESTINY 鎌倉ものがたり : 作品情報 - 映画.comより引用
・予告編
神仏混淆のファンタジー
「DESTINY 鎌倉ものがたり」観た。
— レクター (@m_o_v_i_e_) 2018年1月8日
夫婦愛を中心にサスペンスあり、人間ドラマありの全体として神仏混淆のファンタジーとして纏めあげた作品。
クライマックスですらキスシーン無しの超健全ファミリー向け映画でした(笑)
ぼく、泣かなかったよ。 pic.twitter.com/7nbrXFFEXy
感想を纏めたらこれなんですが、もう少し内容に言及していこうかと思います(笑)
まずこの作品の舞台となる鎌倉について。
鎌倉市中心部周辺の空中写真。南を相模湾、東・西・北の三方を山に囲まれた地形である。1988年撮影の8枚を合成作成。鎌倉(かまくら)は、現在の神奈川県鎌倉市の中心部に当たる地域。源頼朝を旗頭として、北条時政、北条義時らによって鎌倉幕府が置かれた都市であり、三浦半島の付け根に位置し、相模湾に面している。古くは鎌府(れんぷ)とも呼ばれた。
Wikipediaより引用
設定では作中の鎌倉は人間と魔物や妖怪が共存。
幽霊、死神、三途の川、黄泉の国、地獄と神仏混淆の独特な世界観をファンタジックに魅せてくれます。
そんな中で、オカルトサスペンスな殺人事件と家族愛、夫婦愛を描いた人間ドラマ、ひとつのジャンルとして収まらないのが良いところですね。
良くも悪くも大衆向けで、お子さんも安心です(笑)
惜しかったところとして、もう少し人間と魔物の共存を絡めたエピソードが欲しかったですね。
本田さんは寿命により魔物へと転生する道を選びましたが、そのサイドストーリーも投げっぱなし。
貧乏神とのエピソードは最終的に天頭鬼との戦いに絡むエピソードだっただけに本田さんのサイドストーリーもしっかりと最後まで描いてほしかった。
愛くるしい魔物もいただけに現世での人間と魔物の共存する世界のエピソードが希薄だった点は勿体無い気がします。
黄泉の国にて
特にボス的なポジションで亜希子にしつこく求婚する魔物『天頭鬼』。
このモデルとなった鬼が鎌倉時代に造られた国宝として今も残っています。
鎌倉時代再興期の西金堂須弥壇(しゅみだん)に安置されていた像で、四天王(してんのう)像に踏みつけられる邪鬼(じゃき)を独立させ、仏前を照す役目を与えたものです。
天燈鬼(てんとうき)像。2本の角と3つの目を持ち、口を大きく開き、やや横目で前方をにらみ、左肩に乗せた燈籠(とうろう)を左手で支えます。
龍燈鬼(りゅうとうき)像。腹前で左手で右手の手首を握り、右手は上半身に巻きついた龍の尻尾をつかみ、頭上に乗せた燈籠を上目づかいににらみます。像内に建保3年(1215)に法橋庚弁が造ったとする書きつけがあります。
阿と吽、赤と青、動と静とが対比的に表現された鬼彫刻の傑作です。
木造天燈鬼・龍燈鬼立像(もくぞうてんとうき・りゅうとうきりゅうぞう) | 「国宝」「重要文化財」 | 文化財 | 法相宗大本山 興福寺より引用
黄泉の国とは日本神話で死後の世界のこと。
今作では死後に死神(日本神話)によって連れてこられ、輪廻転生(仏教)を待つ間に暮らす場所とされる。
見る人の想像により作られる世界となってました。
三途の川(仏教)はご存知の通り現世とあの世の境目に流れる川。
あの世とこの世を繋ぐものとして列車が使われ、江ノ電の単行運転の旧型モデル100型車両の愛称「タンコロ」と呼ばれています。
一見、違和感のある組み合わせですがそれを感じさせなかったのはこの作品の見せ方が上手かったのだと思います。
なぜ泣けなかったのか?
Twitterでも呟きましたが
「ぼく、泣かなかったよ。」
泣ける映画だという前情報は数人の感想からも受け取っていたんですが、結果自分の涙腺を刺激することはなく終わりを迎えてしまいました。
そもそも、自分が映画で泣いたことはあるのだろうか?
記憶を辿っても片手で数えられるほどでしょう。
それは置いておいて、なぜ泣けなかったのか?について言及していきます。
えー、同じようなことが昨年にもありました。
映画「LION ライオン 25年目のただいま」です。
こちらでも、なぜ泣けなかったのか?について言及しています。
今作との共通点は
前情報で感動だと知っていたから
という部分が大きいのではないか。
天邪鬼である自分の性格上、感動すると言われると感動出来なくなっちゃうんですよ(笑)
そしてもうひとつの共通点
愛よりも運命論に重きを置かれた演出
タイトルからも、二人が結ばれるのは運命的なもので切っても切れない縁というのが今作のテーマです。
黄泉の国へ行く前はほんわかとした可愛らしい奥さんとの新婚生活に夫婦愛を感じました。
ここではいくつかホロリとくる部分もあったんですよね。
特に亜希子が黄泉の国へ行ってからの正和の行動全てに夫婦愛を感じますし、展開としても最高潮です。
あとは黄泉の国へ行って連れ戻してハッピーエンド。
ここでもうひと山、感動的な展開が待ってるんじゃないのか?と。
黄泉の国へ行ってからは全くそういった演出もなく、運命論で終わらせる展開になり、泣けるものも泣けなくなってしまったのではないかと思います。
ここは映画「LION ライオン 25年目のただいま」とは違って今作「DESTINY 鎌倉ものがたり」は運命がテーマとなっていたので仕方ない部分もありますが、涙腺を刺激することはなかったですね(二回目)
DESTINY
原作は西岸良平のベストセラーコミック「鎌倉ものがたり」。
その実写化に置いてタイトルを「DESTINY 鎌倉ものがたり」とした意味について考えていきます。
原作タイトルを副題扱いとし、「DESTINY」という言葉をタイトルとして持ってきた意図は前世からの夫婦の絆、出逢うべくして出逢った"運命"を強調し、印象付けるテーマのようなもの。
その意図は本作中でも十二分に描かれていました。
先程記述した人間と魔物の共存する世界が希薄だと感じてしまった点も、この実写化映画はあくまでも「鎌倉ものがたり」ではなく「DESTINY」、つまり一色夫妻の運命に重きが置かれているんだぞというメッセージなのでしょうか?
自分は運命論よりも単純に愛を見たかったのだ…。
「DESTINY」夫婦間の愛と運命を全面に推すのであれば、この事件のエピソードは必要だったのだろうかと疑問に思うわけです。
勿論、原作をなぞることも一色正和という人物像を描くことも世界観を出す上では必要な描写であったとも思いますが、そこよりも神仏混淆のファンタジーと人間ドラマとして、夫婦愛を見せつつ魔物や妖怪を絡めた日常を描くべきだったのではないかと。
そうです。しつこいようですが
本田さんのエピソードをもっと膨らませるべきだったんじゃないのか!?
と言いたい(笑)
人が魔物へと生まれ変わる。
『魔界転生』
このエピソードを一色夫婦を絡めて最後まで見たかったんです。
これがあれば泣いてたと思う(笑)
終わりに
泣けなかっただの本田さん!だの色々と不満は言いましたが、作品としてはそれなりに楽しめましたよ!
原作も廉価版コミックスでかじった程度なので、より一層原作に興味がわきましたね。
オリジナル・サウンドトラック発売中
音楽:佐藤直紀
発売日:2017年12月6日(水)
定価:¥2,500+税
[収録曲]
鎌倉ものがたり ~Main Title~ 納戸の秘密 正和の趣味 赤い手 降霊捜査 事件解決 幻の駅 甲滝五四朗 貧乏神 幽霊申請 魔界転生 魔物 茶碗 怒り 霊体 別れ 稲荷 亜紀子 天頭鬼 黄泉の国 屋敷 積年の恨み 想像の力 鎌倉ものがたり ~End Title~
映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」公式サイトより引用
因みに、山崎貴監督作
鑑賞済は
「ジュブナイル」
「三丁目の夕日」シリーズ
「BALLAD 名もなき恋のうた」
「寄生獣」一作目
です。
オススメあればお願いします(笑)
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
(C)2017「DESTINY 鎌倉ものがたり」製作委員会