小羊の悲鳴は止まない

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映画「祈りの幕が下りる時」ネタバレなし

目次




初めに

おはようございます、レクと申します。
今回は昨日鑑賞した「祈りの幕が下りる時」について少しだけ語っています。

『新参者』シリーズ完結ということで、過去作品も含めネタバレはなしです。



作品概要


(C)2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会

製作年:2018年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:119分
映倫区分:G


解説

阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編。東野の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」第10作の映画化で、2010年に放送された連続ドラマ「新参者」、2本のスペシャルドラマ、映画「麒麟の翼 劇場版・新参者」に続き、阿部が主人公の刑事・加賀恭一郎を演じる。父との確執、母の失踪など、これまで明かされることがなかった加賀自身の謎が明らかとなる。東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが……。演出家の浅居博美役を松嶋菜々子が演じるほか、山崎努及川光博溝端淳平田中麗奈伊藤蘭小日向文世らが顔をそろえる。監督は「半沢直樹」「下町ロケット」「3年B組金八先生」など数多くのヒットドラマを手がけた福澤克雄
祈りの幕が下りる時 : 作品情報 - 映画.comより引用


予告編




東野圭吾のミステリー

東野圭吾の作品、すべてを網羅しているわけではありません。
なので、自分が読んだ小説、そして映像化されてきた作品からの印象でしか考えることはできませんが、その辺は目を瞑ってください(笑)


東野圭吾原作で最も好きな作品は
容疑者Xの献身です。

ドラマ「ガリレオ」シリーズの劇場一作目。
個人的には小説は勿論のこと、邦画の中でもベストに入るくらい思い入れもあればミステリーとしての評価もしています。


ずばり言うと
東野圭吾の手掛けるミステリーは"そうせざるを得ない理由"をもの哀しい物語に溶け込ませることが非常にうまいと思うんです。

人の行動の是非を問う、善悪の境界線が曖昧となる絶妙な部分を突いてくるんですよ。
その上で、悲壮感漂う雰囲気が秀逸。

それは本作品でも存分に活かされています。



新参者

さて、早速本題へと入っていきますが、その前に。

「新参者」シリーズの完結ということで、本作祈りの幕が下りる時を観るにあたり、予習(過去作品の鑑賞)は必要か?というお声をいただいたのでこちらでも書かせていただきますね。

答えは、厳密に言えばイエスです。
ある程度このシリーズの小説を読んでいる、もしくは映像化された作品を観ている方は加賀恭一郎という人物像、魅力を分かっていただけるでしょう。
逆に「新参者」シリーズに触れていない方がいきなり本作品本書を観たとして、それが伝わるかどうか分かりません。


勿論、過去作品すべてを観てから本作に臨むのが最も好ましいとは思いますが、最低限押さえておくところとすれば、ドラマ「新参者」映画「麒麟の翼」でしょう。

過去作と本作との事件に直接的な関わりはありませんが、人物相関図として把握すべき部分はあると思います。

前日譚であるスペシャルドラマ「赤い指」「眠りの森」はあくまでも加賀恭一郎という人物の補完という感じなので、本作鑑賞前後どちらで観ても特に問題はないかと。



本作の話に入ります。
まずはTwitterに挙げた感想から。


本作は予告編やキャッチコピーにもあるように
『事件の、は俺。俺なのかー』

加賀恭一郎の身辺が事件に関わってきます。
この点からも、「新参者」シリーズに触れているか否かで大きく印象が変わってくるでしょう。



そもそも、「新参者」シリーズの魅力は加賀恭一郎という人物が解決の糸口を見つけてから畳み掛ける推理劇なんですよね。
そこに垣間見える登場人物たちの人間味ある心理描写がまた素晴らしいんです。

無駄足を踏んででも散り散りになったパズルのピースをひとつひとつ繋いでいく。
その過程で、想像もしなかった真実が浮かび上がる。

これが基本構造なんです。


事件自体はこう言ってはなんですが、ニュースで流れていそうな平凡で地味なもの。
人が亡くなっているのに言い方は悪いですが、ミステリー小説としては地味なんですよ。

そこに加賀恭一郎という人物を充てることで、登場人物たちの心理も明らかとなり、魅力ある一つの作品となり得るんです。



本作も地味な事件と加賀恭一郎の組み合わせで魅力を引き出した作品…にはなるのですが、過去作と違うところは
今まで以上に加賀恭一郎が事件に関わること。
そして事件に無関係な人間の今まで表面立って描かれなかった様々な想いを、事件解決の過程で汲み取ってすくい上げていくことになる。

という点です。


ここが本作最大の魅力であり、個人的にですがシリーズ完結にして最高傑作と言える部分なんです。


あくまでシリーズ完結にして最高傑作です。
裏を返せば、加賀恭一郎なしにこの作品ひとつでどこまで魅力があるのかと言うと難しいのではないかと思うわけです。

親と子の関係性、人生の選択、加賀恭一郎を絡めずとも重く切ない物語に違いはないんですが。

少なくとも自分はシリーズとして最高の終わり方をしたと思っています。



終わりに

主題歌はJUJUさんの「東京」。
親子の愛とすれ違い、本作にも通ずるPVが素晴らしいので、こちらも。


ということで、拙い文面で「新参者」シリーズの魅力が伝わったかどうかは分かりませんが、是非ともドラマ「新参者」と映画「麒麟の翼」を観て劇場へ足を運んでもらいたい。
この観た後にしか味わえない気持ちを味わってもらいたい。

少しでも興味がある方はよろしくお願いします!



最後までお読みくださった方、ありがとうございました。


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