小羊の悲鳴は止まない

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正義を貫くトリプルフェイス(「名探偵コナン ゼロの執行人」ネタバレなし)

目次




初めに

こんばんは、レクと申します。
今回は「名探偵コナン ゼロの執行人」について語りたいと思います。

映画「ゼロの執行人」のネタバレはありませんが、名探偵コナンの原作コミックス及び前作までの劇場版名探偵コナンのネタバレは含みます。
未読、未鑑賞の方はご注意ください。



作品概要


製作年:2018年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:110分


解説

青山剛昌原作の人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版22作目。サミット会場を狙った大規模爆破事件を発端に、コナンと公安警察が衝突するストーリーが展開し、劇場版20作目「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」に続き、謎の男・安室透がメインキャラクターとして登場する。東京で開かれるサミットの会場となる東京湾の巨大施設「エッジ・オブ・オーシャン」で、大規模爆破事件が発生。事件の裏には、全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織・通称「ゼロ」に所属する安室透の影があった。サミット当日ではなく事前に起こされた爆破事件と、安室の行動に違和感を抱くコナン。そんな折、爆破事件の現場から毛利小五郎のものと一致する指紋が発見され……。監督は前作まで計7作の劇場版「コナン」を手がけた静野孔文から、新たに「モブサイコ100」「デス・パレード」の立川護にバトンタッチ。
名探偵コナン ゼロの執行人 : 場面カット - 映画.comより引用


予告編





トリプルフェイスの男

まず初めに、今作「ゼロの執行人」のメインキャラクターでもある安室透について書いていきます。



・安室透

29歳の独身。右利き。
名前の由来は、『機動戦士ガンダム』の登場人物であるアムロ・レイとその担当声優である古谷徹



・一つ目の顔【私立探偵 安室透】

初登場は原作コミックス75巻 第667話「ウエディング・イブ」。

毛利小五郎を麻酔銃で眠らせ、推理するコナンの姿に気づくほど洞察力と観察力に優れている。
毛利探偵事務所と同じビルのある事務所下の喫茶ポアロで働きながら、毛利小五郎の弟子入りする形でコナンと接点を持つ。
アニメ版では料理も得意。



・二つ目の顔【黒の組織 バーボン】

原作コミックス78巻 第701話「漆黒の特急(ミステリートレイン)」。

黒の組織ではバーボンというコードネームを与えられ、探り屋として活動している。
愛車は白のマツダRX-7
劇場版名探偵コナン第20作目『純黒の悪夢(ナイトメア)』でも、今作『ゼロの執行人』でも、そのドライブテクニックを見せる。



・三つ目の顔【公安警察 降谷零】

原作コミックス85巻 第779話「緋色」編。

本名、降谷零。
黒の組織に潜入している公安警察官。
警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)所属。
頭が良く、洞察力に優れる他、公安警察独自の高い情報力を誇る。
警察学校在籍時の成績は常にトップの優等生。



・他キャラクターの繋がり

元警視庁捜査一課刑事の伊達航(高木刑事の教育係)とはその時の同期で、長らく音信不通でありながらも、互いを気にかける友人同士。
また、殉職した元警視庁捜査一課刑事にして爆発物処理班に所属していた経歴も持つ松田陣平(佐藤警部補の元恋人)とも警察学校時代の友人で、彼に爆弾解体の方法を教えられている。

生前の宮野厚司、エレーナ、明美とも面識があり、シェリー(灰原哀:本名宮野志保)の家族とも何かしら接点がある。

黒の組織のボスとベルモットとの間に"重大な関係"がある事実を突き止めており、この"重大な関係"を組織内に知られるとベルモットにとっては不都合な事態となってしまうことから、このことをネタに彼女に対して個人的な取引を何度か行っている。

FBI捜査官の赤井秀一(ライ)とは黒の組織への潜入捜査中からのライバル関係にある。
「あれ程の男なら(スコッチに)自決させない道をいくらでも選択出来ただろう」として赤井の実力を認めてもいたが、同僚であったスコッチが死亡する一因となった赤井やFBIのことを憎んでいる。



トリプルフェイスであり、警察組織、FBI、黒の組織など幅広い顔と情報網を持つ。
赤井秀一曰く「敵に回したくない男の一人」と評される。



ゼロの執行人

本作「ゼロの執行人」のゼロとは
警察庁警備局警備企画課の通称。

公安警察としての安室透(降谷零)の姿が描かれる今作は安室透ファンには堪らない作品になっているのではないでしょうか。


前作までの劇場版名探偵コナン作品の中でチェックしておくべきは『純黒の悪夢(ナイトメア』だけで十分でしょう。

ただ、本作の強みはコナンを知らなくても単純に警察組織を扱った作品としても楽しめる点です。

"善"と"悪"の境界線、安室透の自分の正義を執行する物語となっています。



一方で、話の内容は小難しく、子供向けではないと思います。
従来の劇場版名探偵コナンは子供も大人も楽しめる使用でしたが、今作「ゼロの執行人」は大人向けと言えます。

主人公はコナンなので、いつものキック力増強シューズとボールを蹴るシーンもあるのですが、あくまでも安室透をメインに描かれています。



また、あらすじと予告編から
事件現場からは毛利小五郎のもの一致する指紋が発見され、逮捕されてしまう。

アニメ「容疑者・毛利小五郎(前編/後編)」も観ておくと楽しめるかもしれませんね(笑)



名探偵コナン」に求めるもの

ここからは「名探偵コナン」に対する個人的な意見です。


原作「名探偵コナン」では新一と蘭、平次と和葉、小五郎と妃、警視庁…様々なラブコメが描かれています。

青山剛昌先生がラブコメ大好きなので、やりたいだけ感はありますが、「名探偵コナン」は様々な事件を絡めつつ黒の組織との対峙の中にラブコメを描いた作品。

ミステリー漫画として売り出している以上、本筋は黒ずくめの組織との対峙、事件解決と推理がメインなのは仕方ないのですが

自分は「名探偵コナン」はラブコメありき、むしろラブコメのない「名探偵コナン」は「名探偵コナン」ではないと思ってます。

はっきり言って極論ですが、そこに自分は「名探偵コナン」の魅力を感じるのです。



新一はAPTX4869という黒の組織が開発した新種の薬を投与され、幼児化してしまった。


江戸川コナンとして事件解決していく中で、新一がコナンとして生きいていくという現状は新一と蘭のラブコメは平行線のままなんですよ。

しかし、原作や映画でも何度かコナンから新一の姿に戻ったり、声だけでも蘭の傍に寄り添う。
本来進展しないはずのラブコメが進展していく様、お互いの気持ちを素直に言えないもどかしさが最大の魅力だと思っています。

今作「ゼロの執行人」でも、コナンは蘭のために行動します。
そこに感動を覚え、ハラハラドキドキさせられるのです。


また、自分が好きなキャラクターでもある平次と和葉。
この二人のラブコメも新一と蘭同様にもどかしさがドキドキさせてくれるんですよね。


個人的劇場版名探偵コナンベスト3
①「から紅の恋歌
②「迷宮の十字路」
③「ベイカー街の亡霊」

①②は平次と和葉を描いた作品です。
勿論、新一と蘭のラブコメも進展していく。
ブコメあっての「名探偵コナン」なのです。



では、今作「ゼロの執行人」はどうだったのか?
正直、ラブコメ要素は少なめです。


故に自分の好みとしてはそこまで評価していませんが、作品の出来としては申し分ないと思います。

純粋にこの映画を観るなら楽しめるでしょう。



終わりに

主題歌を担当されたのは福山雅治さん。
【零-ZERO-】

こちらも、コナンと安室透、「ゼロの執行人」を意識した歌詞になっています。


毎年恒例!
劇場ED後の映像で次回作の予告がありますので、最後まで席を立たないことをお勧めします!



最後までお読みくださった方、ありがとうございました。



(C)2018 青山剛昌名探偵コナン製作委員会