小羊の悲鳴は止まない

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『アベンジャーズ/エンドゲーム』ネタバレあり考察

目次




初めに

こんばんは、レクと申します。
ついに天皇陛下の譲位により新元号となりました。
元号「令和」でも当管理人及び当ブログをよろしくお願いいたします。

さて、今回はですね、MCUラソンを経てやっと観てきた『アベンジャーズ/エンドゲーム』について語っています。

この記事にはネタバレが含まれます。
未鑑賞の方はご注意ください。



作品概要


原題:Avengers: Endgame
製作年:2019年
製作国:アメリ
配給:ディズニー
上映時間:182分
上映方式:2D/3D


解説

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったマーベルコミックが生んだヒーローたちが同一の世界観で活躍する「マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)」の中核となるシリーズで、各ヒーロー映画の登場人物たちが豪華共演するメガヒット作「アベンジャーズ」の第4作。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描く。「インフィニティ・ウォー」では姿を見せなかったホークアイアントマンといったヒーローも登場し、新たにキャプテン・マーベルも参戦。監督は前作に引き続き、アンソニージョー・ルッソ兄弟が務めた。
アベンジャーズ エンドゲーム : 作品情報 - 映画.comより引用




総評

まずはいつもと順番が違うのですが、総評から書かせていただきます。

自分の好きなジャンルでした!
所謂SFタイムトラベルものですね。
それだけでも面白いのに、そこに11年間のMCUの歴史、キャラのドラマを乗せてくる。

過去作の本編のさり気ないセリフの一言一言やエンドクレジット、文字通り一本の線に繋がる感じが、エンドゲーム単品ではなく11年のMCU全作品でひとつの映画なんだって思わせてくれる。



自分が敢えて不満点を挙げるとするなら、各々のキャラの扱いにムラが大きいのとキャロル(キャプテン・マーベル)の雑さ。

キャロルの強さは『キャプテン・マーベル』でも描かれたように桁外れなので、あの処理は仕方ないのかもしれませんが、やはり何かしらの手は打つべきだったと思います。

キャロルだけでなく、もう少し他のキャラにも焦点を当てるべきかとも思いました。
フェイズ3の締めが『アベンジャーズ/エンドゲーム』(以下EG)ならまだしも、次作に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が控えてるとなると、ピーター(スパイダーマン)とトニー(アイアンマン)のやり取りはもう少し必要だった気がします。

なんにせよ、初期メンバーと数人がいれば成り立つストーリー構成はスマートだけど完全燃焼はせずといった感じです。



しかし二部作構成とは言えど、『EG』を観ると『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(以下IW)を再評価せざるを得ない。

個人的に『IW』初見の印象として、あくまでも自分の中での主人公はヒーローであるアベンジャーズであり、そのヒーローたちがサノスに倒されていく姿、そして絶望で終わらせ『EG』で希望を匂わせる展開にカタルシスを覚えなかったんですよね。
二部作構成による中途半端な終わり方だとさえ思えました。

しかし、『EG』を観て改めて『IW』はサノス視点で見るとサノスなりの正義を貫き、世界の人口を無作為に半分にし、サノス曰く世界を救ったと言える。
一つの作品として成り立っているんです。


つまりは『EG』でソーに首を跳ねられたサノス(IW)は正義を全うしたただのおじいちゃん(笑)
過去から未来へとタイムトラベルしてきたサノス(EG)こそ絶対悪なのではないか?と思えたんです。



サノス(IW)によって人口が半分になった世界で、悲しみに打ちひしがれ前を向くこと、立ち上がることさえできない人々がいる。


(これは劇中にてスティーブ(キャプテン・アメリカ)のセミナーでも映し出されてます)

そんな人たちを救うべく、消された人たちを復活させようと奮闘するアベンジャーズ
トニーとスティーブの和解。
その再結成し生き残ったアベンジャーズに立ちはだかる壁が過去から来たサノス(EG)という構図が堪らない。


同じ目的を持った二人のサノスだけど、『EG』序盤でのあのサノス(IW)の姿を見ると慈悲の感情が湧いてくる不思議。
それもネビュラとの親子の絆が垣間見れたから、なんですが。



『シビル・ウォー』や『IW』では、正義と正義(主観)でぶつかり合いました。

生き残った者達はアベンジャーズは"過去を知る者"として未来を変えることを選びます。
サノス(EG)は最終的に一度世界を無に返し、"過去を知らない生き物達だけの世界"を作り上げようとします。

今作『EG』ではよくありがちな設定ではありますが、ここでしっかりと善と悪に分かれたわけです。



キーパーソン①

『EG』におけるキーパーソンは主に二人だと思います。
勿論、各々のキャラクターは必要であり、それぞれにドラマが用意されていたので必要ないというわけではありません。
あくまでも『EG』におけるキーパーソン、ストーリーテリングとして重要な人物を挙げています。



キーパーソンの一人目は『アントマン&ワスプ』で量子世界に閉じ込められていたスコット(アントマン)


アントマン&ワスプ』のラスト、例のバンに搭載された量子トンネルからの生還である。
現実世界では5年が経過していたにも関わらず、量子世界にいたスコットの体感は"5時間程度"。

アベンジャーズの本部を訪れたスコットは、量子トンネルで過去に戻れば破壊される前のインフィニティ・ストーンが手に入る。
そうすれば消えてしまった人々を元に戻せると提案する。

これが今作『EG』のメインストーリーとなります。



アントマン&ワスプ』のエンドクレジットにて、ジャネットが「量子世界には"時間の渦"がある」みたいなことを言っていました。
この"時間の渦"こそが、タイムトラベルの方法なのです。
ジャネットが「"時間の渦"に触れるな」と言っていたのは、『EG』への大きな伏線であったと考えられます。


ということで、MCUにおけるタイムトラベルとはどのような理論が用いられているのか、個人的に考えてみました。




通常、タイムトラベルを行うにあたって使われる理論も幾つか存在します。


・「ブラックホール理論」

ブラックホール中性子星の場合よりさらに質量が大きい恒星が寿命を迎えた後に生成されると考えられる天体であり、近年ではその姿が捕えられたと話題にもなりましたね。

ブラックホールはその強大な重力で光すら吸い込み、絶対に逃すことはない。
その表側にある領域"事象の地平面(イベント・ホライゾン)"を超えた先の密度無限大になる一点"特異点"では既存の物理法則が適用できない。
つまり、その周りではタイムトラベルが可能な時空構造を実現する可能性がある。

"アインシュタイン方程式"では星の成長から宇宙の死まであらゆる重力関連現象を規定する重要な式で、その解の中に"過去に戻るループ"を許容するものが存在することが数学者クルト・ゲーデルによって示されている。
ほとんどの物理学者は現実世界では起こりえないと否定しているが、物体はある軌道をめぐって過去の同じ地点に戻ってくるという現象を起こす過去へのタイムトラベルと考えられる。



・「光速理論」

こちらの説は一番有名なタイムトラベルの方法だろう。

移動速度が光の速度に近づくと、"アインシュタイン特殊相対性理論"に基づき時間がゆっくり進むようになる。
これを"ローレンツ収縮"と呼ぶ。
光速に達することができれば、内部での時間は停止し、光速を超えた場合、時間は過去に向かって逆行すると考えられる。

多くのSF作品においてこの時間の遅れが"ウラシマ効果"と呼ばれるものです。
宇宙船で高速移動した乗員が地球に戻ると、数十年の時が経過しているといった未来へのタイムトラベルである。

これは今作『EG』におけるスコットの経験談と近いものがありますね。
アントマン&ワスプ』はエンドクレジットから時系列では『IW』の前、もしくは同時期と考えられる。
そこから『EG』の5年間を5時間程度の体感時間で未来へとタイムトラベルしたことになります。
実際にスコットが光速度で移動したわけではありませんが。



・「タオキン理論」

上記の「光速理論」の応用。
仮に光速度を超える粒子が存在するとするなら、特殊相対性理論に基づき質量が逆行し"虚数"という存在が仮定される。
この虚数粒子を"タキオン"と呼びます。
もし、タキオンが存在し、利用できるとするならば、時間を逆行するため過去への通信が可能性である。

厳密には全くの別物なのですが、『EG』の劇中ではネビュラのデータ(記憶)がこれに近いのかもしれません。
未来のネビュラ(IW)は過去のネビュラ(EGで登場する)と記憶媒体で共有しています。
言い換えるなら過去への通信が可能となったとも言える。
※詳しくは後述。



・「ワームホール理論」

時空構造の位相幾何学の応用で、ある時空二箇所を繋ぐ"時空の虫食い穴"の存在が想定されており、これを"ワームホール"という。
これを用いれば、時間や空間を瞬間移動する"ワープ"が実現する可能性があるという考え。

理論物理学者キップ・ソーンはこのワームホールの出入り口を光の速度に近い速度で移動させることで過去と現代を接続することができるといった説を唱えています(上記に記述した「光速理論」に基づく)。



・「宇宙ひも理論」

こちらもSF作品でしばしば用いられる理論。
物理学者リチャード・ゴットが唱えています。

宇宙ひもとは無限の長さを持つ素粒子ほどのひび割れのことで宇宙誕生の際に生じる特殊な領域を指す。
要約すれば、宇宙と宇宙の隙間であり、そこには"時間"が存在せず、時空が歪んでいるためワープのように一瞬で長距離を飛び越えたように見える。
仮に2本の宇宙ひもを用意することができれば、この超光速移動によって過去へ戻ることができると考えられています。





今作『EG』で用いられた主な理論は恐らく単純なものです。
それは「特殊相対性理論」と「量子力学」。

特殊相対性理論では、動いている物体を外から見ると、物体内で経過している時間が、外の時間の流れとは異なる。
例えば、宇宙船が速度を上げ光速に近い速度になっても、宇宙船内の観測者は船内の時間の流れには変化がない。
ところが、宇宙船外の観測者には宇宙船内の時間の流れが遅くなるように見える。
同時に、重力場も時間の流れを変え、強重力場における時間の流れはその場にいる観測者にとっては変化がないが、外から見ると限りなく遅くなる。

量子力学における時間の概念は、マクロの宇宙に適用される相対性理論とは異なる。
量子世界の時間には、過去と未来を区別しないという特徴があり、時間の逆行も可能。
時間とは観測者や時計や座標系が定義するものであり、固有の物理量ではないということですね。



キーパーソン②

もう一人のキーパーソンは上記に記載した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に登場するネビュラ


"MCUにおけるタイムトラベルの理論"は上記で記述しました。
ネビュラが何故キーパーソンなのかに入る前にはまず、"MCUにおけるタイムトラベルのルール"について確認しなければなりません。

スコットとローディ(ウォーマシン)との会話では所謂タイムトラベル系の映画が幾つか挙げられました。
「『ターミネーター』や『スター・トレック』、『ある日どこかで』、『ビルとテッドの大冒険』・・・『ダイ・ハード』は違う。」



ブルース・バナー(ハルク)とローディの会話では、タイムトラベルについて重要な台詞が語られています。

ローディが「サノスが赤ちゃんの時に殺しちゃうのはダメなの?」といった不適切な質問をした時、ブルースがは「過去へ戻って歴史を変えたとしても、自分たちが生きた歴史は変わらない。もし過去へ旅をすると、その過去が未来になってしまう。元の現在が過去になってしまう。新しくできた未来はその過去となってしまった現在で変えられない。」と説明をしています。

これをわかりやすく図にしてみました。
※字が汚くて申し訳ございません(笑)




過去へ戻って歴史を変えても意味が無いと知ったアベンジャーズのメンバーは別の解決方法を探ります。
インフィニティ・ストーンを集めて、もう一度消えた人たちを取り戻そう。

過去は変えられない。
だけど未来なら変えられる。

これはスティーブが前に進むとセミナーで話していたこととも繋がる。

ただ、サノスによって全てのインフィニティ・ストーンを破壊されて無くなってしまっているんですね。
なので、サノスが手に入れる前の時間軸に遡り、インフィニティ・ストーンを全てを手にしてしまおうというもの。




インフィニティ・ストーンとタイムパラドックスについてはブルースとエンシェント・ワンの会話でわかりやすく説明されています。

エンシェント・ワンは枝分かれの説明をしつつ、タイム・ストーンを渡すことを一度は拒みます。
インフィニティ・ストーンを持ち去ると、インフィニティ・ストーンがない世界線へ分岐する。
ブルースが借りた時間に戻って一瞬も消えてなかったようにすると約束する。
その作戦も生存してできることだとタイムストーンが戻ってこない危険性があると引き続き拒まれました。
『IW』でドクター・ストレンジがサノスに無条件でタイムストーンを渡したことを知り、最終的にタイムストーンをアベンジャーズに託します。

ストレンジの行動には何か意味がある=ストレンジの言う1/1400万605の勝率ですね。



つまり、過去に戻るだけではその世界線は分岐せず、過去は未来となり、現在は過去となる。
インフィニティ・ストーン絡みの過去改変は世界線を分岐させるということ。

MCUの世界でいうと『ドクター・ストレンジ』でモルドがストレンジに「時を無闇に操作しようとすると、タイムラインに新しい枝が生まれてしまい、空間パラドクスが生じたりタイムループが生まれてしまう危険がある」と注意喚起しています。
この段階でタイムストーンを使用し、過去への介入をすると世界線の枝分かれするという設定は決まってたということになりますね。





一度起こってしまった現在の世界線の歴史はそのままで、新しい世界線に枝分かれする。
枝分かれし、今と異なった歴史は救われるかもしれないけれど、我々のいる歴史は変わらない。
これは漫画『DRAGONBALL』と同じ原理です。

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その作品内でもこの事象が生じています。
ドラゴンボール超の設定は考慮していません。

ただ単に人造人間編を語りたいだけなんですが(笑)
知らない方はなんのことかわからないと思うので、端折っていただいても構いません。

ベジータの息子であるトランクスは未来からタイムマシンに乗って悟空たちのいる時間軸へとタイムトラベルしてきます。


アニメ「Dragon Ball Z」より


しかし、実際はトランクスだけがタイムトラベルしてたわけじゃないんですよね。
そうです。人造人間編でのラスボス的存在、セルです。


漫画『DRAGONBALL』より



簡単に図にして纏めました。
汚い字で申し訳ございません(笑)

ト…トランクス
悟…悟空たちZ戦士
人…人造人間17、18号
セ…セル

世界線A…悟空たちの現在。
世界線B…トランクスのいた未来。
世界線C…セルのいた未来。

  1. 世界線Bの悟空Bは心臓病で死亡。Z戦士も戦死。
  2. 世界線BからトランクスBが世界線Aへと来る。
  3. その一年前、世界線Cで人造人間17、18号Cを倒したトランクスCを倒し、タイムマシンを奪ってセルCが世界線Aに来ていた。
  4. 世界線AのセルAは未熟な段階で処分される。
  5. 世界線Aの人造人間17、18号AはセルCに吸収され、完全体となったセルCは悟空Aたちによって倒される。(悟空は死亡)
  6. セルCから解放された人造人間17、18号Aが善化。
  7. 世界線Aで修行したトランクスBが未来(世界線Bの10年後)へ戻って、世界線Bの人造人間17、18号BとセルBを倒す。


この世界線のセルを倒しても、別の世界線のセルは消えない。
ここも『EG』と共通する点です。

仮に我々が過去へ戻れるとして、その過去が同じ世界線だとすれば、過去の自分を殺せば当然、今生きている自分も消えることになります。
これが『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の理論です。
この理論ではタイムパラドックスが起こる、所謂"親殺し"や"自分殺し"です。

ブルースとスコットの会話から、「タイムトラベル系の傑作はでたらめなの?」という内容が話されていました。
バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムトラベルは、"自分の両親が結婚しなければ、自分は産まれて来ない。
すなわち本人の存在そのものが消えてしまう"という仕組みなんですが、これは"自分自身を殺すことも同じ"です。

ネビュラは劇中で、"過去から来た自分殺し"を行います。
過去と言っても上記に説明した通り別世界線の自分。
過去の自分自身を殺したにも関わらず、現在のネビュラは存在している。



また、『EG』の劇中でネビュラのデータ(記憶)は時を超えます(上記に記載したもの)。

未来のネビュラ(IW)は過去のネビュラ(EGで登場する)とデータ(記憶)を共有しています。
ネビュラ(IW)のデータ(記憶)がネビュラ(EG)のデータに干渉したのは、未来から過去へと時間軸を移動したことにより未来のデータが逆行、二人同時に存在するネビュラのデータ自体も同期(過去のネビュラのデータを上書き)したものと考えられます。



MCUにおけるタイムトラベルに関して
ネビュラはタイムパラドックス、そしてインフィニティ・ストーンを持ち帰ると世界線は分岐し、各世界線はそれぞれ独立したものであるということを可視化する形で体現したキャラクターなのです。



修正

これらの世界線の分岐が生まれないように最終的にスティーブが各インフィニティ・ストーンを元の時間軸に戻しにいきます。
正確にはアベンジャーズが回収する直前の時間軸。
これはタイムパラドックスを避ける措置ですね。
要するに過去へ行ってインフィニティ・ストーンを盗んだこと自体をなかったことにするため。

インフィニティ・ストーンを戻すことで、世界線の分岐をなくす。
つまりは分岐してインフィニティ・ストーンがなくなった世界線そのものを消し去り、インフィニティ・ストーンが存在する時間軸(今いる世界線と同じ歴史)へ修正する。


ここでひとつの疑問として、過去を変えられないのに何故、スティーブはおじいちゃんとして戻ってきたのか?

個人的見解として、トニーがスティーブに話した通り、"自分の人生を生きた"のだろう。
ではどの世界線を生きたのか?

例えば、元の世界線をα、アベンジャーズがインフィニティ・ストーンを手にするために過去へ戻り分岐したインフィニティ・ストーンがない世界線をβとしよう。

ティーブが仮に世界線αと分岐した世界線βよりも更に過去へ戻ったまま70年余りを過ごしたとすると、世界線αにはスティーブとキャプテン・アメリカ、同じ人物が2人存在することになる。
ここまでは問題はないのですが、問題は盾の存在だ。

ハワードの作った盾は一つであり、それはスティーブがキャプテン・アメリカとしてサノスと戦った際に破損している。
同じ世界線αだと仮定すると、スティーブが盾を持ち帰ったところで、その後の歴史は盾なしキャプテン・アメリカが存在することになる。
※ここはソーのムジョルニアと同じで、わざわざスティーブがインフィニティ・ストーンと共にムジョルニアを元に戻した意味と繋がる。



以下、ここで考えられること。

インフィニティ・ストーン6個目、最後の返却はトニーとスティーブがインフィニティ・ストーンを持ち出した時間軸よりも少し前の時間軸。
つまり世界線βに分岐するよりも過去、世界線αと共通する過去だ。
時代で言うと、第二次大戦後、スティーブが氷漬けになり消息が絶たれた時間軸。

そこからスティーブは自分の人生を生きる。
インフィニティ・ストーンを持ち去った時間軸に差し掛かった際、一旦はインフィニティ・ストーンを戻さずに一度世界線βでキャプテン・アメリカの盾を手にする。
(世界線βにもキャプテン・アメリカは存在するので二人のスティーブが同時に存在することになる。)

そしてスティーブは盾を持ったままもう一度インフィニティ・ストーンを持ち去った時間軸の直前へと移動し、改めてインフィニティ・ストーンを返却し、世界線をαに戻して元の時間軸(現代)へと帰還する。


盾を持ったおじいちゃんスティーブがインフィニティ・ストーンを返却した説です(笑)



こうすることで、世界線βの盾のないキャプテン・アメリカの歴史は消える。
同時に、映画『アベンジャーズ』の時間軸でトニーとスコットが失敗し、ロキがインフィニティ・ストーンを持ち去った事実(仮に世界線γとする)も消える。

盾を手に入ることが可能で、尚且つ世界線αには盾が二つ存在することになり、世界線αから分岐した世界線β、更に世界線αから分岐した世界線γの存在も消えることになる。

世界線βが消えても、そこにあった盾の存在は消えない。
これは『EG』劇中でのガモーラに該当する。
ガモーラは実際、世界線αではサノスの手によって死亡している(『IW』にて)。

『EG』ではソウルストーンを手にするためにナターシャ(ブラック・ウィドウ)が犠牲となったためにガモーラは生存。
サノスらと共に未来へとタイムトラベルしてきた。
ティーブが過去へ戻ってソウルストーンを返却し、世界線βが消失して世界線αへと修正されてもガモーラの存在が消えていないと仮定するなら、盾も同様に存在し続けることが可能である。



次にピム粒子について、タイムトラベルする回数分しか用意されてなかったと仮定した場合、数が足りないだろうという指摘もあるだろうが、スティーブが1950年代にタイムトラベルしたとするなら、そこで改めて手に入れた可能性も考えられる。

しかし、『EG』劇中で『アベンジャーズ』の時間軸にてトニーとスコットの失敗により手詰まりとなった際、トニーとスティーブが更に過去へとタイムトラベルしたシーン。
ここでスティーブはピム粒子を手にするのだが、通常自身とトニーの分二つだけでよいピム粒子を四つ持ち帰っている。
これはこのことを想定した描写ではないのだろうか?と疑ってしまう。


以上が、盾の矛盾と世界線の矛盾を解決させる唯一の説、おじいちゃんスティーブがインフィニティ・ストーンを返却した説です(笑)



終わりに

少々強引に話を勧めましたが、自分で仮説を提唱しておきながらツッコミどころ満載です。
あくまでも自論ですので御容赦願います。

様々な解釈ができる所も楽しみ方のひとつだと思っているので、自分はこう考えているということを書き記させていただきました。



最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。




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