秒でアガる?(「キングスマン:ゴールデン・サークル」ネタバレ考察)
目次
初めに
こんにちは、レクと申します。
2018年、映画初めとして選ばせていただいた映画「キングスマン:ゴールデン・サークル」について書いていきたいと思います。
この記事はネタバレを含みますので、ご注意ください。
作品概要
原題:Kingsman: The Golden Circle
製作年:2017年
製作国:イギリス
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:140分
映倫区分:PG12
・解説
世界的ヒットを記録したイギリス製スパイアクション「キングスマン」の続編。イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。主演のエガートンやマーリン役のマーク・ストロングら前作のキャストに加え、ステイツマンのメンバーにチャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス、ハル・ベリー、謎の組織ゴールデン・サークルのボスにジュリアン・ムーアら豪華キャストが新たに参加。さらに、前作で死んだと思われていたコリン・ファース扮するエグジーの師ハリーも再登場する。前作に続き、「キック・アス」のマシュー・ボーンがメガホンをとる。
キングスマン ゴールデン・サークル : 作品情報 - 映画.comより引用
・予告編
秒でアガる?
『秒でアガる。』
キャッチフレーズにも使われたこのワード。
皆さん、どうでしたか?
自分はですね…
掴みのアクションシーンではアガりました(笑)
一方で、前作大好きマンな自分は今作品での主役級死にすぎ問題は評価するにあたって重要なポイント。
その主役級の大半を失うというキャラクター愛の無さに胸が苦しくなった。
そのせいで中盤からの展開がもう…。
何よりロキシーちゃんが早々に離脱なんて酷すぎやしません?
ハリーが生きてた件で、序盤に死んだと思われた仲間が実は生きてんだろ?って思わせといてそりゃないでしょ。
挙句の果てにマーリンまで…カントリーロードが…。
細かいところもツッコミ始めてしまえばキリがないんですが、一つ一つのシーンの切り替え、アクション、キレ、ノリ、これは紛れもなくキングスマン。
但し、前作を超えたか否かは別として、前作を支えたキャラを失うという結末には秒でアガって、分でサガったと個人的に思うわけです。
不謹慎な描写もクララのゴールデン・サークルに指を突っ込んだだけという。
と残念な点をタラタラと書きましたが、結局のところ最後まで楽しんでたんですけどね(笑)
さて、諜報機関側と相対するゴールデン・サークルについて、いつものように掘り下げてみます。
念の為に言っておきますが、今作を鑑賞するにあたり前作「キングスマン」は観ておいた方がいいでしょう。
幾つかの場面や設定で、前作との繋がりがあります。
ゴールデン・サークル
まず、ゴールデン・サークルという組織と人物について。
世界的に有名なお薬組織で違法お薬の合法化を目論む。
富と名声を得たい。
典型的な悪役の欲望ですね(笑)
キングスマン採用試験に落ちて右腕を失ったポピーの右腕(笑)のチャーリー。
かませ犬だったメイド?ロボットとエンジェル。
ハンバーガーの元。
裏切り者のウイスキー。
カメオで大活躍の囚われの身、エルトン・ジョン。
ポピーを演じたジュリアン・ムーアはいくつになっても眩いばかりの美貌ですね。
また人の命を何とも思わないサイコっぷりが素晴らしい!
かませ犬か?と思われたチャーリーも最後まで奮闘してました。
ポピーは忠実な3匹の犬を飼ってたわけです。
ゴールデン・サークルに忠誠を誓うと歯を削られ、指紋を焼かれ、体の一部に金で円を刻まれる。
全身エステという名前でエッチなやつかと想像したけど全然全身じゃねぇし!エロくもねぇ!
ウイスキーはステイツマンとゴールデン・サークルのダブルエージェントでした。
ステイツマンはキングスマンと同様に20世紀初頭にアメリカで立ち上げられた独立国際諜報機関。
アメリカでは1920年〜1933年まで「禁酒法」により酒類の製造が禁止されていた為、密造酒製造業として設立。
某見た目は子供のバーロォ探偵に登場する黒の組織と同じように、お酒の名前がコードネームとして与えられてるんですよね。
・黒の組織に登場するコードネーム
ジン
ウォッカ
ベルモット
テキーラ
シェリー
ピスコ
カルバドス
キャンティー
コルン
アイリッシュ
ライ
キール
バーボン
ラム
洒落た名前もいくつかありますね!
・ステイツマンに登場するコードネーム
名前がダサいんじゃ!!!
何故、ウイスキーはステイツマンを裏切ったのか?
おさらいをしておきましょう。
ウイスキーは過去に恋人がお薬中毒者に殺害されるという事件を経験、お薬に対して恨みを持っていたんですね。
そのことにより、ステイツマンのお薬ウイルス解毒剤配布任務に反対だったということです。
では、何故ハリーはウイスキーが裏切り者だと分かったのか?
分かりやすかったのは雪山で解毒剤を手に入れたエグジーたちを襲撃したシーンで、庇った際に解毒剤を割った時くらい。
まあ、わざとらしかったですが(笑)
一流のスパイにはわざとか否か、分かるんでしょうかね?
さてさて、ではゴールデン・サークルとは何を意味するのか?
本題へと入っていきます。
元々、今作「キングスマン2」の副題は「ゴールデン・トライアングル」だったそうです。
黄金の三角地帯
東南アジアのタイ、ミャンマー、ラオスの3国がメコン川で接する山岳地帯で、ミャンマー東部シャン州に属する。世界最大の麻薬密造地帯であった。別名ゴールデン・トライアングル(英語: Golden Triangle)と呼ばれ、アフガニスタン・パキスタン・イラン国境付近の「黄金の三日月地帯」と並ぶ密造地帯である。現在では経済成長や取締強化により、タイやラオスでの生産は減少傾向にあるが、逆にミャンマーのシャン州ではいくつかの軍閥が麻薬生産のみならず覚醒剤の製造も行い、さらには合法ビジネスを行うなど、二極化の傾向にある。
Wikipediaより引用
では何故「ゴールデン・サークル」となったのか。
ここは憶測でしか語れませんが
恐らく、世界中のお薬市場全てをポピーひとりが牛耳ることから三角形ではなく円であるサークルに変えられたのではないかと思います。
また、お薬の原材料であるケシはポピー。
つまり、ゴールデン・サークルのボスとお薬を繋げるものなんですよね。
ケシ(芥子、罌粟、Opium poppy、学名 Papaver somniferum)
ケシ科ケシ属に属する一年草の植物。
日本語のケシは英語のpoppyと同義とされるが、英語では単に poppy といえばイギリス各地に自生しており、園芸種としても盛んに栽培されているヒナゲシ Corn poppy を指す。
Wikipediaより引用
ところで皆さん、「ゴールデンサークル理論」というのをご存知でしょうか?
えー、図のように
「WHY」「HOW」「WHAT」
の三つの円から成り立つ。
企業や人は外側の円から物事を考えるが、優れたリーダーは内側から物事を考える。
(WHY → HOW → WHAT の順)
簡単に説明すると
人は「何を(WHAT)」ではなく「なぜ(WHY)」に動かされる。
という商業戦略や会議などで使われる理論です。
では、ゴールデン・サークルの理念をゴールデンサークル理論に当て嵌めて見ていきましょう。
ゴールデン・サークルの理念を「WHAT」で見たとします。
- お薬の合法化して売買を自由にする
これだけでは非常に抽象的ですよね?
「WHY」からの流れで見ていきましょう。
- 富と名声を得たい(WHY)
- 大統領のサインを貰う(HOW)
- お薬の完全合法化と株式市場への上場(WHAT)
なんだか説得力を持ちませんか?(笑)
例えば仕事の依頼を受ける場合も「WHAT」しか伝えられないことが多いです。
「何々をしてほしい(WHAT)」といったものです。
「なぜするのか(WHY)」「どのようにするのか(HOW)」から考えていくと、より具体的に物事を進めることが出来るというわけです。
「WHY」は明確なビジョン、目標を示すものです。
この「WHY」から「WHAT」までのゴールデンサークル理論が、ポピーの台詞にしっかりと掲示されていました。
彼女は非情ですが、優れたリーダーであったことは間違いないでしょう(笑)
パスワードの意味
解毒剤が全世界に届けられる為のパスワード
『Viva Las Vegan』(ビバ・ラス・ビーガン)
どういう意味があるのでしょうか?
エルヴィス・プレスリーの名曲『Viva Las Vegas』
に掛けたダジャレとも考えられます。
エルトン・ジョンを軟禁したってことは音楽好きの可能性は十分に考えられますからね。
『viva』は「万歳」
『las』は「その」
『vegan』は「菜食主義者」
つまり、『菜食主義者、万歳』を意味します。
ということは、ポピーは菜食主義者ということになりますね。
そうです、ミッションに失敗した用無しを美味しいハンバーガーにする為のお仕置きマシーンなんです!
出来上がった人肉ハンバーガー。
ポピー自身は食べない。
部下には食べさせる。
なんて悪女っぷりなんだろう(笑)
終わりに
チャーチルによる、かの名演説
「これは終わりではない。終わりの始まりでもない。だがこれは始まりの終わりかもしれない。」
続編を示唆させるナレーション。
ハル・ベリー演じるジンジャーの件もありますし、テキーラがキングスマン本部へ足を運んだことからも続編はありそうですね。
というか制作が決まっているらしいですね。
今作で主役級を大半を失った失態(まだ言う)をどう補うつもりなのだろうか?
実は生きてましたオチだけはもう使っちゃダメだと思います。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
関連作品
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2016/07/06
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (16件) を見る