小羊の悲鳴は止まない

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映画「パターソン」から読み取るいい映画とは何か?(ネタバレなし考察)

目次




初めに

こんばんは、レクと申します。

えー、今更ながらやっと観ることができた映画「パターソン」について。
ネタバレは一切ございません。

例の如く、もう既に幾つもの考察がされているであろう作品なので、あらすじ等は割愛させていただきますね。

今回はタイトル通り「パターソン」から読み取るいい映画とは何か?語っていきたいと思います。



いい映画とは?

先ず、最初に言っておきたいことは
これは作品の善し悪しを決める"いい"ではありません。
よって、他作品の批判でも否定でもなければ、白黒つけるということでもないことをご理解くださいませ。

あくまでも個人的観点から"いい映画"とは何か?について語らせていただいてます。


早速本題に入りますが、皆さんにとって"いい映画"とはどういったものだと思いますか?



興行成績?
高評価?

自分は自分の目で見たものしか信じません(笑)
たとえどれだけ周りが評価しようとも自分が思うところとのギャップというものは必ずあると思います。

そういった客観的視点ではなくあくまで主観で考えたいい映画とは。


自分の人生に影響を与えてくれた映画。
なんて大層なことは言えません。
しかし、好きで好きで堪らない映画。
それは勿論、自分とってのいい映画と言えます。

自分で言うところの映画「羊たちの沈黙」がそれです。
脚本、演出、音楽、演技、思い入れ、全てを加味した上でオールタイム・ベストです。



しかし、その"いい"とはまた違った"いい映画"ってありませんか?



例えば
「泣ける」「全米が泣いた」「感動の超大作」などの謳い文句で落とす所謂感動モノの映画。


マイケル・○○監督のような派手な爆破(笑)シーンのあるようなアクション。


緑の仮面を被って超人的な動きで笑わせるようなコメディシーン。


などがほとんどないにも関わらず、鑑賞後に「あー、いい映画だった」って思える映画。


そうです。
それが自分は「パターソン」でした。



冒頭にも書いてますが、これはあくまでも個人的な意見です。

勿論、派手なアクションがないといい映画とは言えない!
泣けない映画はいい映画ではない!
と仰られる方もおられるかもしれません。

しかし、その意見も個人的な意見であり、"いい映画"だと感じる基準は人それぞれ異なったものだと思います。




今年の劇場鑑賞した映画の中に
彼らが本気で編むときは、
という作品があります。

この作品も非常に素晴らしく、観終わった後
「あーいい映画だったな」
が率直な感想でした。



また、鑑賞後の余韻の半端ない映画。

今年劇場鑑賞した中では圧倒的に
沈黙-サイレンス-」でした。

今年初めて複数回鑑賞した作品です。
これも間違いなく自分にとってのいい映画です。



そして、今年劇場鑑賞
暫定ベスト1の「ウィッチ」。

ウィッチ [Blu-ray]

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自分の好む作品は概ね派手な描写よりも、心理描写がしっかりと作り込まれた作品なんです。

こちらの作品もまた、自分にとってのいい映画です。



中にはクスッと笑える描写や目を見張る映像、心にグッとくる感動などはあるでしょう。

でもそれを全面に押し出していない。
なのにそれを鑑賞者側に伝わるように自然と描かれている

特筆すべき目立った描写はないかもしれないけど、全体的な雰囲気が良いなど。

自分が"いい映画"だと感じるポイントはそこなのかなあと思います。



総評

では、映画「パターソン」は何が"いい映画"なのか?
簡単に総評としてネタバレなしで纏めました。


バスの運転手パターソンの何気ない一週間。
しかし彼にとっては毎日が、新しいんです。
些細な変化に見える小さな幸せは面白いというよりも心地良い。

目立った派手な演出もなく、悪く言うと「退屈」なんでしょうが、そこに映し出される映像から読み取れる情報は決して「退屈」なものではないんです。

そう、本作品はただ単に何気ない日常を切り取った映画ではない
何気なく流れていく日常を"詩"という別の表現方法で切り取った映画なのだと。


詩とは言葉であり、この言葉で語られた以上の何かを得ることが出来る。

これから我々がおくる日常も、ただ時が流れていくまま何気なく過ごすよりも、意識的に切り取ることで大切な何かを感じられるのではないだろうか。


表面的な見せ方ではなく、内面的な見せ方が上手い。
作中で語られるものよりも感じるものの方が多い
不思議な魅力がこの作品にはある。

そのような点が「いい映画だなあ」と思わせたのかもしれない。

観ている時はいい映画がまだ何かは定かではなかったというか考えたこともなかったのですが、この映画を観ていて、こういうことを言うんだなあとしみじみ感じてました(笑)



終わりに

今回は映画「パターソン」から"いい映画"とは何か?について語らせていただきましたが、正直なところ非常に曖昧な部分は多いです。


ジャンル等によらず、自分が思う"いい映画"というのはふとした瞬間に観たくなる。
何度も観てしまう。
そして、観返す度に好きになる。
新しい発見がある。

そんな作品は人生に寄り添う一作に成り得るのではないでしょうか。


映画はあくまでも娯楽です。
しかし、その娯楽性を超える何かがある時、自分の中で傑作だと思えるわけです。

自分にとっての傑作を見つけていきたいものですね。



ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。