小羊の悲鳴は止まない

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スター・ウォーズは聖書だ

目次




初めに

こんばんは、レクと申します。
今回のブログは考察や感想ではなく、スター・ウォーズ(以外SW)に関する駄文となっております。


私個人の話なのですが、エピソード9『スカイウォーカーの夜明け』を未だ鑑賞してません!
ということで、特に触れることはないので考察という形を取っていません。

また、私はSWにそれほど詳しくはありません。
なので大まかな個人的な見解であり、こんな考え方もあるんだなあくらいに暖かい目で見ていただきたいのです(笑)
何卒ご理解のほどよろしくお願いします。


既出している情報のみ言及しています。
したがって、この記事は過去作のネタバレを含みます。
念の為、ご注意ください。



スター・ウォーズと聖書

SWはエピソード4からの公開となっており、皆様ご存知の通り公開順は以下の通りです。


旧三部作(オリジナル・トリロジー)

エピソード4『新たなる希望』

エピソード5『帝国の逆襲』

エピソード6『ジェダイの帰還』


新三部作(プリクエル・トリロジー)

エピソード1『ファントム・メナス

エピソード2『クローンの攻撃

エピソード3『シスの復讐


続三部作(シークエル・トリロジー)

エピソード7『フォースの覚醒』

エピソード8『最後のジェダイ

エピソード9『スカイウォーカーの夜明け』


※但し、スピンオフ作品は除く


時系列では
新三部作

旧三部作

続三部作
となっていますね。


ということで早速ですがタイトル通り本題
スター・ウォーズは聖書だ】
に入っていこうと思います。



まず、何故このようなブログを書いたかと言いますと、「スター・ウォーズはベタな話である」と揶揄されていることについて「そりゃそうだろう」と物申したかっただけであります(笑)

結論から言いますが、SWの物語の構成は聖書のある部分の構成と非常によく似ています。
恐らくは聖書を意識しているのではないでしょうか?

そもそもSWは様々な神話を下敷きに作られていることはファンの間でも有名な話です。
その根拠を裏付ける理由として、ジョージ・ルーカスアメリカの神話学者であるジョーゼフ・キャンベルの信奉者であるとされています。


アダムズ・アップルの記事でも語りましたが、旧約聖書〈創世記〉からはじまり〈マラキ書〉で終わります。
そしてそれらは大きく3部に分けることができます。
それは《律法》、《書物》、《預言》です。


この旧約聖書にあたる部分が旧三部作及び新三部作だと考えられます。

特に、旧約聖書の《書物》に含まれる〈サムエル記〉という歴史書古代イスラエル王朝の盛衰の話は旧三部作
そして、旧三部作の前日譚である新三部作〈ルツ記〉です。
聖書も構成上、〈サムエル記〉の後に書かれたものが〈ルツ記〉とされる説があります。

〈サムエル記〉は元々一つの物語を、ヘブル語をギリシャ語に翻訳した七十人訳聖書に書き換えた際に長いので分割。
それから、元のヘブル語聖書も〈サムエル記第一〉〈サムエル記第二〉に分かれています。


何百年も続く物語なので簡単には要約できないのですが、根本的には政治、宗教的な混乱と破壊が進んだ時代。
そこで、国をまとめる軍事的リーダーがほしいと国民たちは言い始める。
そんなイスラエルに王がいない士師の時代に対して、神は許容的御心でサムエルを送った。
サムエルが主導者となり国が安定的になっていくが、サムエルの息子たちは後継者の器ではなく世襲では統制が取れなくなる。
そこから王政へと国が動いていく話です。

この〈サムエル記〉の内容は旧約聖書の中でも転換期とされ、〈列王記〉へと紡がれます。
SWでいう銀河帝国の話であり、新世代へと繋ぐ旧三部作の役目も担っているんですね。



次に〈ルツ記〉について話していきましょう。

『ルツ記』(ルツき)はヘブライ聖書におさめられたモアブ人女性・ルツの物語。『十二小預言書』を一書と考えた場合、『ルツ記』は旧約聖書でもっとも短い書である。

『ルツ記』は、異邦人であるルツがダビデ王にいたる家系の中で重要な役割を果たすことを語ることで、救いの歴史において「自らの民」ユダヤ人にとらわれない神の意図の壮大さを語っている。

ルツ記 - Wikipediaより引用


簡単に言えば〈サムエル記〉の王政、ダビデ王の祖先の話です。
夫と二人の息子を亡くした未亡人ナオミは二人の息子嫁オルパとルツを連れて夫の故郷へ帰省する決意をする。
構成上はルーク・スカイウォーカーダース・ベイダーの関係性を探る上で必要な新三部作の位置付けになりますね。

〈ルツ記〉の中で最も重要な信仰告白が記されています。
「あなたの神は、私の神です。」
ルツは自身の再婚の機会を犠牲にして、姑ナオミと一緒にいることを選択している。
これはナオミに対するルツの愛情、そしてルツの抱くナオミが信じる神への信仰。

ここではナオミはシミ・スカイウォーカー、ルツがアナキン・スカイウォーカーとして当てはめることができる。
アナキンは母親への愛で溢れていた。
その母を亡くしたことで「神はいない」とダークサイドへと堕ちるきっかけを生んでしまう。



これら旧約聖書を経て新約聖書に書かれる福音書〈サムエル記〉の続編とも考えられる。
この新約聖書がSWでいうところの続三部作
エピソード7『フォースの覚醒』から始まる新シリーズと同じ位置付けとなるのです。


聖書はイエス・キリストの話を主軸に聖母マリアやその他イエスに関わる人物の話へと派生していく。
SWに関しても、旧三部作ルーク・スカイウォーカーを主軸に『ローグ・ワン』や『ハン・ソロ』などのスピンオフが付随して作られ
新三部作ではアナキン・スカイウォーカーを主軸にアニメ『クローン大戦』や『クローン・ウォーズ』が作られている。

全体の構成を見ても、スター・ウォーズは聖書だ】と思うんです。



ダース・ベイダーと聖書


アナキン・スカイウォーカー(後のダース・ベイダー)に関しても、聖書から読み解くことができます。

アナキンはエピソード1『ファントム・メナス』で母親であるシミ・スカイウォーカーと共にタトゥイーンでスクラップ屋の店主ワトーの奴隷として暮らしていたことが明かされる。
アナキンの父親は存在せず、まさにイエス・キリストの出生、"聖母マリア処女懐胎"である。

処女懐胎(しょじょかいたい)、または処女受胎(しょじょじゅたい)とは、文字通りには処女のまま(つまり男女の交わり無しに)子を宿すことであるが、普通は、特に聖母マリアによるイエス・キリストの受胎というキリスト教における概念を指す。カトリックなどマリア崇敬をする教会において、処女懐胎の意義は、マリアがヨゼフとの交わりのないままイエスを身篭ったことにある。無原罪の御宿りとともに、マリアの無謬性(誤りのないこと)を強調する。
処女懐胎 - Wikipediaより引用


新約聖書〈マタイによる福音書ルカによる福音書によると、どちらも聖霊により身ごもったことが記述されています。


これをSWの世界に当てはめると

旧約聖書=旧三部作
唯一神ダース・ベイダー
預言者ジェダイ
救世主メシア→ルーク・スカイウォーカー

新約聖書=新三部作
唯一神→フォース
救世主=イエス・キリスト(神の子)→アナキン・スカイウォーカー


SWにおける反乱同盟軍の合言葉
「フォースと共にあらんことを(May The Force Be With You)。」

新約聖書ルカによる福音書1章28節
「主があなたと共におられます。」
と同じ思想です。

元々、作中での"フォース"とは銀河の万物をあまねく包み込んでいる概念とされ、聖書の創造主の概念に近い。



アナキン・スカイウォーカーは圧倒的なフォースを持ち、上から抑えつけられる事を根っから嫌う旺盛な反骨心はヤハウェそのもの。
最終的にダース・シディアスの誘惑に屈してダークサイドに堕ちてしまう。

この闇堕ちは聖書の堕天使に当たるものだろう。
つまり、アナキンは唯一神として描きながらも、ダース・ベイダーを悪魔として描くこの二面性が最大の魅力とも言えます。

ちなみに、旧約聖書にはイザヤ書14章12-15節に堕天使(悪魔)ルシフェルの記述があります。
「黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。
あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、
雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。
しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。」

新約聖書にもサタンの堕落を示唆する記述が幾つかあります。
ヨハネ黙示録〉12章7-9節ではサタンが天使戦争に敗れて追放された物語が示されています。
「さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、
勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。」


少し話が戻りますが、〈サムエル記〉の最初の王はサウル、次にダビデ
旧約聖書を経て新約聖書の時代に入るとメシア(イエス・キリスト)はダビデ王の子孫から出現します。
ダビデ系図の中でメシアに繋がるのは、ヨセフではなく母マリアの系列。
その系図を遡るとダビデの前にナタンの名前がある。
メシアはダビデの子であるソロモンの系列ではなく、ソロモンの弟であるナタンの系列の生まれである。


なので、銀河帝国を裏で操るダース・シディアスが最初の王サウル。

そのダース・シディアスに唆されたドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)、謂わば兄弟子がダビデ

そして、ダビデの子孫であるとされるイエス・キリストが弟弟子ダース・ベイダーだと当てはめることができるのです。



カイロ・レンと聖書

続いて、カイロ・レン(ベン・ソロ)と聖書の関係性について語っていきます。



過去の三部作と比べて少し色が変わって作られたのが、続三部作

エピソード8『最後のジェダイ』でスノークを裏切ったカイロ・レンはエピソード6『ジェダイの帰還』でダース・シディアス(パルパティーン)がダース・ベイダーの裏切りによって死んだことを踏襲しています。


また、エピソード7『フォースの覚醒』ではカイロ・レンが父親であるハン・ソロの生命を奪うシーンがありましたね。
これはエピソード6『ジェダイの帰還』でルーク・スカイウォーカーの父親であるダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)が息子を庇って死んだことの対比です。
しかし、旧三部作も大枠で見れば息子であるルーク・スカイウォーカーと父親であるダース・ベイダーとの対峙。

"父殺し"から思いつくのはギリシア神話オイディプス王の物語ですね。

父殺し

戦車に乗って旅をしている最中、ポーキスの三叉路に差し掛かったところで、前から戦車に乗った実の父ラーイオスがあらわれた。ポリュポンテースというラーイオスの従者が、オイディプースに道を譲るよう命令し、これに従わぬのをみるや彼の馬を殺した。これに怒ったオイディプースはポリュポンテースとラーイオスを殺した(殺害方法には、打ち殺したという説と谷底に突き落としたという説がある)。
ラーイオスが名乗らなかった為、オイディプースは自分が殺した相手が誰であるかを知らなかった。

オイディプース - Wikipediaより引用

さて、聖書の話に戻ります。

聖書の中で人が初めて犯した殺人は旧約聖書〈創世記〉4章3-8節
「日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。
アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。
しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。
そこで主はカインに言われた、『なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。
正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません』。
カインは弟アベルに言った、『さあ、野原へ行こう』。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。」

カインとアベルの物語ですね。
この殺人の動機は妬み、怒り、そして憎悪です。
そう、SWの世界でダークサイドに堕ちる時のきっかけと同じなんですよ。



また、ギリシア神話のように聖書の中にも"身内殺し"の話は出てきます。
正確には未遂なのですが。

それが〈創世記〉22章に記述されている"イサクの燔祭"です。


イサクを捧げるアブラハム ローラン・ド・ラ・イール 1650

イサクの燔祭(イサクのはんさい)とは、旧約聖書の『創世記』22章1節から19節にかけて記述されているアブラハムの逸話を指す概念であり、彼の前に立ちはだかった試練の物語である。その試練とは、不妊の妻サラとの間に年老いてからもうけた愛すべき一人息子イサクを生贄に捧げるよう、彼が信じる神によって命じられるというものであった。この試練を乗り越えたことにより、アブラハムは模範的な信仰者としてユダヤ教徒キリスト教徒、並びにイスラム教徒によって讃えられている。

イサクの燔祭 - Wikipediaより引用


父親アブラハムの信仰心を確かめるために息子イサクを生贄に捧げよという内容であり、この信仰心を訴えかける神の御言葉はSWではダークサイドへと唆す悪魔の言葉である。


このように、闇の道に進みきれなかったダース・ベイダーとは異なり、続三部作 ではダース・ベイダーに憧れるカイロ・レンがある種のダース・ベイダー超えを自身の行動で証明して見せたかったように思います。
結果、エピソード8『最後のジェダイ』では中途半端な立ち位置となってしまったことは否めない。





終わりに

エピソード9『スカイウォーカーの夜明け』が楽しみですね!!!(笑)

ということで、本日行って参ります。
もしかしたらエピソード9『スカイウォーカーの夜明け』鑑賞後に追記するかもしれません。



【追記】

ということで、『スカイウォーカーの夜明け』観て参りました!

続三部作新約聖書の位置付けとするなら、レイはイエス・キリストとも受け取れる。
まあこの考察はまた別の機会にでも。

不満点は多々あれど鑑賞中は楽しんでいるという複雑な感じ。
ライトサイドとダークサイドの狭間で揺れる心境と同じようなもんですね(軽すぎる)。

不満点を吐き出さないと気持ちを整理できないと思い、簡単に纏めました。


『スカイウォーカーの夜明け』大絶賛の方は読まない方がいいかもしれません(笑)



勢いで書いたので読みにくくなってしまいましたが、最後までお読みいただいた方ありがとうございました。




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