小羊の悲鳴は止まない

好きな映画を好きな時に好きなように語りたい。

レク的2021年映画ベスト

目次




初めに


どうも、レクです。

年の瀬も押し詰まってまいりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
未だにブログを続けられていることは皆様のお力添えがあってのことでございます。

来年もボチボチ更新していきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。





さて、本題に入っていく前に2021年の鑑賞作品を振り返ってみます。

2021年の新作鑑賞数は210本。
※自宅鑑賞や配信作も含む

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1月10本
ジョゼと虎と魚たち アニメ版
約束のネバーランド
聖なる犯罪者
さんかく窓の外側は夜
43年後のアイ・ラヴ・ユー
無聲
トリバンガ 〜踊れ艷やかに〜 (Netflix)
風が吹けば
名も無き世界のエンドロール
えんとつ町のプペル

2月15本
KCIA 南山の部長たち
おもいで写眞
花束みたいな恋をした
ヤクザと家族
ムンナー・マイケル
人生は二度とない
ラーンジャナー
ザ・ホワイトタイガー (Netflix)
ジッラ 修羅のシマ
羊飼いと風船
Swallow/スワロウ
すばらしき世界
樹海村
ファーストラヴ
哀愁しんでれら

3月16本
ある人質 生還までの398日
春江水暖 しゅんこうすいだん
プラットフォーム
梨君たまこと牙のゆくえ
みずのきれいな湖に
Grand Bouquet
Wheel Music
あのこは貴族
カポネ
まともじゃないのは君も一緒
トムとジェリー
ミナリ
騙し絵の牙
旅立つ息子へ
ノマドランド
シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

4月14本
マルコム&マリー (Netflix)
劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班
モンスターハンター
砕け散るところを見せてあげる
ザ・スイッチ
名探偵コナン 緋色の弾丸
アンモナイトの目覚め
街の上で
ある用務員
るろうに剣心 最終章 The Final
21ブリッジ
ホムンクルス (Netflix)
マ・レイニーのブラックボトム (Netflix)
チャドウィック・ボーズマン︰あるひとりの表現者 (Netflix)

5月12本
ウィズアウト・リモース (Amazon)
隔たる世界の2人 (Netflix)
キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜 (試写)
闇はささやく (Netflix)
ファーザー
JUNK HEAD
火花 Theri
最終ラウンド
ゲームオーバー
3
アーミー・オブ・ザ・デッド (Netflix)
ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット版 (Amazon)

6月20本
名探偵コナン 緋色の不在証明
生と死と夢と (短編)
アオラレ
賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット
ジェントルメン
ふたりだけの宇宙 (短編)
フロッグ
この茫漠たる荒野で (Netflix)
クルエラ
るろうに剣心 最終章 The Beginning
猿楽町で会いましょう
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
Mr.ノーバディ
クワイエット・プレイス 破られた沈黙
漁港の肉子ちゃん
Arc アーク
夏への扉 キミのいる未来へ
キャラクター
逃げた女
トリッキー・ワールド (Netflix)

7月20本
まばたかない瞳 バンガロール連続誘拐殺人
マイルストーン (Netflix)
共謀家族 (オンライン試写)
ライトハウス
彼女来来
クローブヒッチ・キラー
ブラック・ウィドウ
東京リベンジャーズ
ファイナル・プラン
竜とそばかすの姫
ジャッリカットゥ
映画大好きポンポさん
孤狼の血 LEVEL2 (先行上映)
プロミシング・ヤング・ウーマン
17歳の瞳に映る世界
The Soul :繋がれる魂 (Netflix)
ブラッド・レッド・スカイ (Netflix)
第8日の夜 (Netflix)
サイコ・ゴアマン
屋敷女 ノーカット完全版

8月18本
返校 言葉が消えた日
ウィッチサマー 未知の怪物
メタモルフォーゼ/変身
シンクロニック
アウシュヴィッツ・レポート
ベルヴィル・ランデブー
オクトパスの神秘:海の賢者は語る (Netflix)
ワイルド・スピード/ジェットブレイク
サマーフィルムにのって
ドント・ブリーズ2
クラシック・ホラー・ストーリー (Netflix)
フリー・ガイ
ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結
美に魅せられて (Netflix)
食われる家族
ベケット (Netflix)
オールド
ドライブ・マイ・カー

9月18本
鳩の撃退法
レリック 遺物
モンタナの目撃者
HOME FIGHT
その日、カレーライスができるまで
僕のヒーローアカデミア ワールド ヒーローズ ミッション
君は永遠にそいつらより若い (試写)
シャン・チー/テン・リングスの伝説
アーカイヴ
レミニセンス
食人雪男
まっぱだか
マスカレード・ナイト
空白
マスター 先生が来る!
はじめの夏
二階のあの子
偽神

10月15本
ジェームズ・ボンドとして (アマプラ)
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
ベイビーわるきゅーれ
草の響き
PITY ある不幸な男
DIVOC-12
護られなかった者たちへ
キャンディマン
DUNEデューン 砂の惑星
MINAMATA ミナマタ
最後の決闘裁判
CUBE 一度入ったら、最後
燃えよ剣
かそけきサンカヨウ
ひらいて

11月32本
ほんとうのピノッキオ
Shari
ミラ:ガール・オン・ザ・トレイン (Netflix)
エターナルズ
スケーターガール
ナイトティース (Netflix)
ラストナイト・イン・ソーホー (試写)
アンテベラム
ハロウィン KILLS
マリグナント 狂暴な悪夢
アンコントロール
クレイジーズ 42日後
パワー・オブ・ザ・ドッグ (Netflix)
囚人ディリ
聖地X
ファブリック
スプートニク
ラブ・エクスペリメント
インビジブル・スパイ
潔白
スカイ・シャーク
ゾンビ津波
デンマークの息子
ベル・エポックでもう一度
ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏
バッド・ヘアー
シティー・コップ 余命30日?!のヒーロー
モンスターランナー 怪物大戦争
ホワッツ・イン・ザ・シェッド
アイの歌声を聴かせて
アイス・ロード
ダーク・アンド・ウィケッド

12月20本
孫悟空vs猪八戒
コスモボール/COSMOBALL
ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ
天才ヴァイオリニストと消えた旋律
パーフェクト・ケア
悪なき殺人
パニック・イン・ミュージアム モスクワ劇場占拠テロ事件
彼女が好きなものは
GUNDA グンダ
半狂乱
タイム・ガーディアンズ 異界の魔女と時をかける少女
ブラック・クローラー
白雪姫の赤い靴と7人のこびと
コントラ KONTORA
あなたの番です 劇場版
偶然と想像
人肉村
夏時間
RUN/ラン
キャッシュトラック


諸事情でNetflixを途中で退会したこともあって、配信の新作に手が回っていないのですが、1ヶ月あたり20本弱のペースということで例年と然程変わりはないですね。
まだ年越しまで時間はあるので追加で数本観るかもしれませんが、現時点(12/29)での鑑賞数になります。



これに加えて旧作鑑賞数は246本。
こちらは例年に比べると30本ほど少ないですね。

とはいえ、フォロワーさんからの薦め『ドラえもん』シリーズや、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のためのワイスピシリーズ、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のために映画007シリーズを1作目から復習したりと旧作もなかなか充実はしていました。



では、今年は40位までランキングにしましたのでご覧ください。




31~40位

残念ながらベスト10に入らなかったけど、40位くらいまでは好きな映画がほぼ団子状態で…決めるのが大変でした(笑)

31~40位はこちらの作品たちになります。

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㉛あのこは貴族
㉜パワー・オブ・ザ・ドッグ (Netflix)
㉝RUN/ラン
㉞隔たる世界の二人 (Netflix)
㉟メタモルフォーゼ/変身
㊱エターナルズ
㊲アイの歌声を聴かせて
㊳GUNDA グンダ
㊴21ブリッジ
㊵Mr.ノーバディ



『あのこは貴族』は上半期ベストの時点では13位くらいにいたのですが、残念ながらズルズルと落ちていきましたね。
この辺りのランキングだと、あまり僕らしくない作品も入ってきています。

MCU映画『エターナルズ』が割と上位(210本中36位)というのも珍しいのではないでしょうか。
ちなみに、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は劇場鑑賞しましたが最終的にはこの位置でした。




21〜30位

次、21~30位はこちらの作品たちになります。

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㉑ドライブ・マイ・カー
㉒コントラ KONTRA
㉓春江水暖 しゅんこうすいだん
㉔空白
㉕夏時間
㉖砕け散るところを見せてあげる
㉗この茫漠たる荒野で(Netflix)
㉘ウィッチサマー
㉙哀愁しんでれら
㉚アウシュヴィッツ・レポート



なんと、ここで今年の邦画の顔の一つでもある『ドライブ・マイ・カー』が21位であることが明かされてしまいました(笑)
この件については、後述しております。

この21~30位が今年の年間ベストだと言ってもおかしくないラインナップですよ、正直なところ。
どれもとても良い映画ですからね!

2021年上半期ベスト10の偏愛枠『砕け散るところを見せてあげる』は惜しくも26位。
2021年上半期ベスト10入りの『この茫漠たる荒野で』、『哀愁しんでれら』と如何に混戦だったのかわかってもらえると思います。

例年なら『春江水暖』や『空白』辺りもベスト10に絡んでくるくらいに高水準な作品ばかりでした。




11〜20位

惜しくもベスト10には入らなかったけどとても好きな映画ばかりです。
偏愛枠が多いですが。

11〜20位はこちらの作品たちになります。

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⑪キャンディマン
⑫草の響き
⑬ダーク・アンド・ウィケッド
⑭パーフェクト・ケア
⑮美に魅せられて (Netflix)
⑯マスター 先生が来る!
⑰ラストナイト・イン・ソーホー
⑱プラットフォーム
⑲無聲
⑳最後の決闘裁判



もう一度言いますが、偏愛枠が多い(笑)

なんやかんやでTLで荒れて「これ、最後の決闘裁判と同じことやってるでしょ…」と呆れてしまった『最後の決闘裁判』が20位!(言わなくていい)
映画としては良かったですからまあ順当でしょう。

『キャンディマン』、『ダーク・アンド・ウィケッド』、『ラストナイト・イン・ソーホー』、『プラットフォーム』は広義の意味でホラージャンル。
『美に魅せられて』、『マスター 先生が来る!』はインド映画枠。
『草の響き』、『無聲』は僕の好みがわかっておられる方なら納得の入賞だと思います。

11〜20位はベスト10にこそ入らなかったですが、僕の好みがしっかりと反映された10作なんですよね。

つまり、『パーフェクト・ケア』が今年のダークホースだったということです!
いやあ、面白かった!




1〜10位


さ、ここからはベスト10になります。
少し語りたいというのもあり、1作品ずつ紹介していきたいと思います。




・10位

『偶然と想像』
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(C)2021 NEOPA / Fictive


同監督・濱口竜介による今年の邦画の顔の一つとも言える『ドライブ・マイ・カー』。
確かに鑑賞後の余韻は突出したもので、完成度もそちらの方が圧倒的にクオリティも高い。
今も尚咀嚼できてないというか語れないというか、だからこそ単純に「この映画が好きだ!」という感情にも振り切れてないわけで。
そのような映画は僕のベスト10ではないな、ということで『ドライブ・マイ・カー』はベスト10から漏れてます。

どちらかといえば10位にランクインした『偶然と想像』の方が好みなんですよね。
どちらも共通するのが対話、コミュニケーションなんですが、ドライブマイカーはその対話の壁を日本語と外国語の隔たりを取っ払って成立させる演劇『ワーニャ伯父さん』や韓国人の手話という2段階の壁を通して隔たりのない言葉として表現していて。
また、人が生きるということ。
愛や心の傷を生きる弱みに変えてはいけないというメッセージを僕は感じたんですが…。


本作『偶然と想像』では、様々な偶然性が引き寄せる人生の遭逢と言語、文章や声が紡ぐ様々な想像性を介して3つの物語が織り成す運命と、演劇のようなリズミカルな対話が創り出す命題を突きつけてくるんですよ。

また、特筆すべきはカメラワーク。
僕個人的に好きな韓国監督のひとり、ホン・サンスのように長回しやズームなどを利用しながら、言葉で状況が変化していく濱口竜介の世界観に一気に飲み込まれていくのが自分でもわかりました。
要は言葉、対話から生まれる人と人との関係性がコミカルを交えながら共感したり、もしくは俯瞰的に見て楽しんだり、はたまた心に染みてくるというか。

ただ、ホン・サンスと濱口竜介のカメラワークの意図の違いは、ホン・サンスは偶然性に、濱口竜介は想像性に焦点を当てていると思います。
ホン・サンスは反復という日常繰り返される対話とそこに付随する偶然性のショットによる奇跡のような映画を撮る監督で
濱口竜介は逆に偶然という非日常から成り立つ対話と観客が想像を掻き立てるようなショットによる計算された映画を撮る監督という印象を改めて持ちました。


濱口竜介監督作品はほかに
『寝ても覚めても』しか観ていないのですが
同じ顔で対照的な二人の男の間で"運命と選択"によって揺れ動く女性心を描いた作品。

悩んだ末に出した答えは予め心で決めていたことなのかもしれない。
一方で無数の選択肢の中から答えを出しているのかもしれない。
これは自由意志と因果関係の二律背反であり、覚めない夢は現実を霞ませるもの。

自分の感情(主観)とそれを抑えようとする理性(客観)。
夢と現実が対極を成すように、自と他、主観と客観が描かれていて、『偶然と想像』ではその主観(感情)と客観(理性)のせめぎ合いから対話によって生まれる新たな関係性の構築を見せてくれたんですよね。


個人的には一話の『魔法(よりもっと不確か)』が一番面白かった。

ということで、3作しか観てませんが濱口竜介監督作品の中でも『偶然と想像』が好きでした!





・9位

『まばたかない瞳 バンガロール連続誘拐殺人』
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(C)Cameo Films India, (C)Drumsticks Productions


インディアンムービーウィーク2021のタミルクライム映画特集で上映。

大都市バンガロールで街中を震撼させる連続誘拐殺人事件が発生。
富裕層の子供が誘拐されて身代金が支払われても殺される。
犯人は射殺されたはずが、全く同じ手口の事件が再発し、真犯人と名乗る男から犯行予告が入る。
そんな凶悪事件の殺人犯を追う女性CBI捜査官の物語。

主人公の女性CBI捜査官のワケアリな感じと、突然現れる弟のラブロマンスで前半は「何を見せられてるんだろう…ということはこれは伏線だろうな」って大まかなその後の展開は予想できるんですが、伏線回収しながら予想を裏切ってくるというか。
そこから更に一歩、いや二歩先を行く転調に驚かされる。

私情を挟みまくるインドの正義はどうあれ、170分という時間を忘れるほど二転三転…いや、四転し、掌の上で転がされる心地良さ。
この感覚は2019年ベスト『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』ぶりかも。
フランスの短編映画『調律師』から着想を得て作られたインド映画で、視覚障害者を装うピアニストがある事件を目撃することから進展するブラックユーモアたっぷりの痛快コメディ。

どちらもめちゃくちゃ力技ではあるものの、インド映画が持つポテンシャル、そして観客を楽しませようとする気概に本作でも改めてインド映画って面白いし凄いなと思った。


監督業も俳優業も熟すアヌラーグ・カシャプがサイコ野郎すぎてマジで最高です!

ちなみに、アヌラーグ・カシャプ監督が本人役で出演するNetflix配信映画『AK vs AK』が面白いのでインド映画に興味がある方は是非観てほしい。





・8位

『スケーターガール』
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Netflix配信作


インド人の父を持つ英国籍の女性が休暇で父の故郷へと訪れる。
カースト制度や男尊女卑、家父長制、貧困、インドの抱える様々な問題が障害となる中で、それと対比するようにスケートボードによって自由や夢という輝きを子どもたちに与えていく。
小さな一歩が誰かの人生を変える。

久々にこの手のベタなインド映画を観て泣いた。
というか、僕は難病や悲哀の恋愛ドラマなど所謂感動の押し売りで泣くことはないんですが、報われない人が努力して報われる瞬間ってのには弱いんですよね。

外部の手を加えないと現状が変わらない閉塞的な村の規則やインド国の因習、選択の余地がない決められた人生やそのしがらみが本当に悔しい…スケボーに乗る少女の表情が観終わった後でも鮮明に脳裏に焼き付いている。
何より、エンドロール直前のテロップで評価が爆上がり。

この撮影で作られたスケボー競技するための施設が実際にこのインドの村に残されて、今も現地の子どもたちがスケボーに励んでるんですよ。
創作が現実になる、精神的であれ物理的であれこれこそ映画の持つ力の証明だと思っているんです。

こういう映画こそ劇場でかけてほしい!


本作『スケーターガール』はManjari Makijanyという女性監督が撮った映画だが、『M:i ゴーストプロトコル』や『ワンダーウーマン』、『ダークナイトライジング』のインドでの撮影に参加、クリストファー・ノーラン監督のもとで助監督をされていたそうで、インドを舞台にしながらハリウッド的なテイストを感じさせる。
今後の作品にも期待したい注目する監督の一人となった。

昨今韓国映画で言えば『はちどり』や『マルモイ ことばあつめ』など女性監督の作品が評価されてきていて、ほかにも『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BOP』のキャシー・ヤンや『エターナルズ』のクロエ・ジャオなどメジャー大作でも活躍が見られます。


そんな中で、今年に僕が注目した監督が本作『スケーターガール』のマンジャリ・マキジャニー監督と惜しくもベスト10には入りませんでしたが、『夏時間』という韓国映画のユン・ダンビ監督ですね。

新人監督はどんどん映画を撮ってほしいし応援したい!





・7位

『デンマークの息子』
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(C)Henrik Ohsten


こちらも先程と同様に監督の長編デビュー作になります。
先日に行いましたナオミントさんとのコラボキャス『レクミントの未体験ゾーン2021』でも語りましたが、未体験ゾーンの映画たちという映画祭上映作品で鑑賞作品28作品中、断トツの1位です。

近未来のデンマークを舞台に描いたポリティカル・サスペンス。
多数の犠牲者を出した爆破テロ事件から1年が経った2025年のコペンハーゲンでは、移民排斥を訴える極右政党が支持率を上げていた。
移民に対するヘイトクライムが激化する中で、それに対抗する過激派組織に入った青年が党首の暗殺を命じられる。


同じく未体験ゾーン上映作品で『アンコントロール』というデンマークの映画があるんですが、安全圏にいる我々へ向けた痛烈なメッセージが鮮烈なんですよ。
クオリティ自体はそこまで高くはないが、街の憎悪に飲み込まれていくエンタメ性の高いデンマーク版『レ・ミゼラブル』(ラジ・リ監督)と言える社会派サスペンスアクションです。


こちらの本作『デンマークの息子』はフィクションを介して近い将来の最悪の事態を危惧し、現代におけるデンマークの移民問題に鋭いメスを入れる。
この完成度でウラー・サリム監督のデビュー作というから驚きしかない。

監督はコペンハーゲン出身だが、両親はイラク移民。
監督がインタビューで「この物語はどの国で起きても不思議でない」と語る様に、移民問題はEU諸国共通の課題でもあります。
また、デンマークは移民が人口の10%を超えていて、移民の二世だからこそ描ける近未来への危惧、想像し得る地獄を作品を通して我々に突きつけてきます。





・6位

『すばらしき世界』
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(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会


『ドライブ・マイ・カー』と同じく、今年の邦画の顔の一つと言える作品ですね。

人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く。
殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は自立を目指す。
そんなある日、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。
彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが…。


『ヤクザと家族』と対になるアプローチって話は何度かさせていただいたのですが、本作『すばらしき世界』は正直あまり語れない映画の一つなんですよね。

他人事だと罵り揶揄することは簡単で、他者の人生を物語として消費してしまう危険性を孕む。
後出しじゃんけんで事後に正当性を突きつけたり、説教することなんて簡単なんですよ。

長澤まさみ演じるプロデューサーや、仲野大賀演じる津乃田もはじめは他人事として三上の人生を消費するんですが、不寛容や傍観から寄り添い見守ることへと心情が変化していく。
これって観客の視点を体現してるなあと感じるところが多々あって。

冒頭から元反社の人って我慢が足りないというか、いきなりキレたりするよねってどこか偏見の目で見ている自分がいるんですよ。
そんな三上がそれなりにマトモになろうとした先でのラストシークエンスで、そんな偏見の目で見ていた三上と自分が重なる瞬間があるんですよね。

客観視が主観へと変わるタイミングで「ハッ」とさせられる。
あの三上の行動は処世術とも呼べるし、不寛容な社会に絡めとられたとも取れるし、あのラストは僕個人としては気持ちのいいものではなかったんですよ、所謂同族嫌悪と言いますか。

でも、そういう一面って人間誰しもが必ず持ってると思うんですよね。
余程の偽善者でもない限りは。
各々の立場から見えてくる様々な社会問題や状況を介して僕たちが見る世界の視野を広げ、考えさせられる。
だからこそ本作の存在価値は大きいと思うんです。





・5位

『Swallow/スワロウ』
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Copyright (C) 2019 by Swallow the Movie LLC. All rights reserved.


ヘイリー・ベネットが異物を飲み込むことで自分を取り戻していく主婦を演じるスリラー。
ふとしたことからガラス玉を飲み込みたいという衝動にかられ、その日から異物を飲み込むことに多幸感を抱くようになっていく。

『ハードコア』や『ガール・オン・ザ・トレイン』でもエロスの雰囲気を醸し出していたヘイリー・ベネットですが、本作では非常に繊細な女性を演じていますね。


タイトルのスワロウは"飲み込む"と"抑える"のダブルミーニング。
一見裕福な家庭環境での孤独感や疎外感。
それに対して痛みや苦しみを伴う異食は我慢や抵抗、はたまた挑戦を示す。

排泄されても消化されず原型を留める異物を保管する。
これは異物と自分自身を重ね、自身の存在を認めることで、アイデンティティーの確立に繋がっていく。
排泄という行為そのものは生を実感する象徴でもあるんです。
謂わば、生きた証、トロフィーのようなものなんですよ。


何よりも、この映画ではトイレというシチュエーションの使い方が上手すぎるんですよ!
本来、トイレという場所は体に溜まった不要なものを出す場所です。
プライベート空間であると同時に、彼女が飲み込み、抑えてきたものを吐き出す場所。
そこから、彼女にとっての生きた証、アイデンティティーを確立していく場所となり、更には閉塞的な空間と外界とを繋ぐ場所にもなるんです。

また、女性にとってのトイレって、例えば化粧直しや身だしなみを整える場所でもあって
外界へ踏み出す勇気を生理的に訴え、彼女の抱える秘密パーソナル部分から、抑圧から解放される女性の物語へと派生していってるんですよ。
それを可視化したのが最高のエンドロールなんですよね。

上半期からずっと好きな映画の一つです!





・4位

『聖なる犯罪者』
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(C)2019 Aurum Film Bodzak Hickinbotham SPJ.- WFSWalter Film Studio Sp.z o.o.- Wojewodzki Dom Kultury W Rzeszowie - ITI Neovision S.A.- Les Contes Modernes


第92回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされたポーランド製作の人間ドラマ。
監督はNetflix配信作品で、SNSの中傷戦術の闇を描いた映画『ヘイター』のヤン・コマサです。
(まだ観てないのですがフォロワーさんにオススメされているのでNetflix再開した時に必ず観ます。)


少年院に服役中の主人公ダニエルは「前科者は聖職に就けない」と知りながらも少年院で神の教えを説くトマシュに習い、仮釈放され田舎の製材所で働き始める予定だったが立ち寄った教会で過去を偽り司祭の代わりを務める。

基本的には信仰がメインテーマではあるが、あくまでもそれは内包するテーマを可視化するための大枠。
何を以て善と説くか、人は何に縋って生きていくのか?
また、人が生きていく上で必要なものとは何か?
を考えさせられる映画です。


主人公の名前でもあるダニエル。
別に知らなくてもいいのですが、旧約聖書のダニエル書を知れば更にこの物語の深みが増すと思います。
主にダニエルたちが新バビロニアに連行されるバビロン補囚の部分ですね。
主人公であるダニエルに由来する。彼は捕囚の民の一人としてバビロニアに連行されてくるが、その賢明さによってネブカドネツァル2世に重用されたとされる人物。

旧約のダニエル書、新約のヨハネの黙示録が代表とされる黙示文学。
この世の終末を語り、信仰心のある人々を説き伏せる救済であり、これもまたこの『聖なる犯罪者』に通ずる部分でもある。


また、この物語が事実を基に作られたというから興味深い。
実際には、最初は事実に基づいた物語を書き始めたけどドキュメンタリー調になってしまって、脚本家がこの事件と似たケースの事件も取り入れて書きあげた創作になっているんですよね。
聖書を知らなくても信仰心と懐疑心という相反する事柄への矛盾をひしひしと感じられるはず。


聖職者、司祭ではない犯罪者が人々の心を掌握して司祭として認められていく。
虚構が真実になる、ないし真実を超えた存在となっていく。


似た設定の映画を挙げるとコメディ映画になりますが、チャールズ・チャップリンの『偽牧師』やマイケル・カーティス監督の同名リメイクしか観てないんですが、ニール・ジョーダン監督の『俺たちは天使じゃない』など。
チャップリンも脱獄囚が牧師の衣装を盗んで本物の牧師と間違えられてミサを行う。
リメイク版『俺たちは天使じゃない』もロバート・デ・ニーロとショーン・ペンが脱獄して神父を偽ったり。

この映画での詳しいプロットはネタバレになるので伏せますが、この主人公ダニエルや田舎村の人々の心理的な変遷が信仰でなくとも何かに縋りたいという希望、または自己陶酔のような思考や自己顕示欲と重なって絶妙なバランスで描かれるんですよ。


主人公の犯罪者ダニエルが教誨師トマシュの名を借りて田舎村で司祭を務める。
刑務所から出てきて居場所がない主人公が、他人になりすますことで自分の居場所を模索。
虚偽で塗り固め、自分以外の誰かになることで自己肯定し、新たな人生を手に入れようとする。
この二面性は昨年末に観た『ナンシー』にも通ずる。

罪と赦しまたは贖罪ないし救済、善悪或いは偽善、真偽と正否、そして陶酔と信仰を介して人間の本質を問うこの物語の構造を巧みに利用し、道理と矛盾を同時に掲示している凄い映画なのです。





・3位

『逃げた女』
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ホン・サンス監督と色々あったキム・ミニが7度目のタッグを組む。
5年の結婚生活の間、夫と一度も離れたことのなかった主人公ガミが夫の出張中に3人の女友だちと再会する。


ホン・サンスの映画って基本的には会話劇で進行していくんですが、そこに長回しやズームとパンを使って画で見せていくんですよね。
偶然なのに必然だと思わせるような奇跡のショットが映画そのものを雄弁に語るんですよ。映像として。

これをホン・サンス節って僕は勝手に呼んでるんですけど
会話劇って例えば小説ないし朗読でも字や音声だけで映像がなくても成り立ちますよね?
そこに映像が入ることで、映画としての形が作られるわけです。


で、ホン・サンスがテーマとしているものが過去作から一貫してるんですけど、それが「人生は反復である」と。
要は毎日同じことの繰り返しで人生はできてますよって。
これがホン・サンスの反復でもあって、謂わばホン・サンス自身の映画人生ですよね。
そこに差異、違いが生じるとドラマが生まれるよってのがホン・サンスのスタイルなんですよ。

本作『逃げた女』も主人公が先輩なり旧友なり女性たちに会いに行ってご飯食べながら話をする。
この反復する日常を切り取り、他愛もない会話が物語を牽引しながら、ホン・サンス節を見せることで心情なり人となりに厚みが増していくんですよね。

そんな主人公が時折、先輩や旧友たちの私生活を監視カメラないし遠くから覗き見るんですよね。
この主人公の客観的視点が観客である我々の主観的視点へと移り変わる妙。
ここもホン・サンス節があるからこそ成せる技で。
これがラストの主人公と観客の同調にも繋がるし、すげえなって。


また、その女性の反復を崩す仕掛けによく男性と死が用いられる。
それは女性の人生を狂わすものが男性であり、反復する日々の積み重ね、人生の終着駅が死であるから。
勿論、死とは肉体的なものも過去作には描かれていた。
恋や愛の死もまた過去作には描かれています。

ホン・サンス監督の作品に登場する男性が教授や映画監督などであることにも理由があると思っています。


少し前に話題となったファ◯◯映画のようなながら見や早送りでは決して掴み取れないような些細な機微、変化から心情をぼんやりと浮かび上がらせるホン・サンス作品は観る人を選ぶものではあるんですが…。

この映画において肯定的に結論づけられているものはほとんどなく、すべては観客の解釈に委ねられています。
男女の関係、或いは人生とは何たるか。
映画の中で確定的に結論を出さず、解釈を観客に委ねることで多様な見方が出来てしまうのもこの作品の面白さだろう。





・2位

『ファーザー』
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(C)NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINE-@ ORANGE STUDIO 2020


『羊たちの沈黙』以来、2度目のアカデミー主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じたヒューマンドラマ。

認知症を患った人間はどう見えているのか。
ある種のミステリー・スリラー的なアプローチではあるんですが、そのディテールは古典的。
フロリアン・ゼレール監督は元々舞台であるこの題材を映画として作るにあたり、同じ室内の絵画や家具の配置を変化させることでまったく違って見えてくる空間を作り出しているんです。


主人公アンソニーの脳内、現実と虚構が交錯する主観映像の可視化が圧倒的な説得力を生み、認識的不確実さに付随するパーソナルな部分を炙り出す。
また、主観だけに留まらず娘のアンをはじめ登場する人物たちから見た違和感、客観的な視点を挿入することで、アンソニーが見ている世界は"誤り"であるという"真実味"が引き立てられる演出と構成、これは凄い…。

「目に見えるもの、見たものしか信じない。」なんて言葉がありますが、アンソニー視点"主観性=確定性"を不確実なものへ導くと同時に、観客視点"客観性=確定性"も不確実なのだと認識させられる。
つまりは、何が事実で何が誤認なのか分からなくなるということ。

この作品は何が真実?何が事実?何が妄想?と観客からの視点で判別が付かないまま物語が進行していきます。
これって認知症当事者の時間の流れそのものなんですよね。


それらを踏まえて
老いという誰もが陥ってしまう危険性を孕むこの物語は、視点を変えれば当人にとっては疑い得ない真実だと肯定しているように思えてならない。

言い換えるなら、人それぞれの真実があり、真実と事実は必ずしも合致しないということ。
認知症患者の言葉をただ否定するのではなく、認知症患者から見た世界をまず知ることが重要なのだと、まさに疑似体験、追体験として実直に訴えかけている。


と言うものも、何度も言ってきてますが、僕にとって映画ってのは娯楽であってあくまでも客観視するものなんですよね。
僕はよく映画を観ながら何かしら考えて観ちゃうところがあって。

観客はスクリーンに向かって創作である他人の物語を見るわけで。
この他人事として人生を物語として消費しているってのは『すばらしき世界』でも言えますよね?
まさにこの『ファーザー』も所詮はそんな他人事の話なんですよ。
特に自分はまだ老人でもなければ、家族に認知症の人がいないんですよね。
でも、もし自分が認知症になってしまったら…と自分の立場に置き換えて考え出したり、他人事として見ているそんな自分の心が揺さぶられたのなら、もうスクリーンを越えてその他人の物語は自分の物語になってるんですよ。


もう一度言いますが、本来、映画ってスクリーン越しに俯瞰で見るもので、映画を観ながら脚本や編集の巧さ、監督の意図などを考えだしたら客観視しかできてないと思うんです。
それらを抜きにその客観が主観に変わるタイミングに僕は快感を得ているわけで、言い換えるなら他人の物語が自分の物語になる瞬間でもあるんです。

この他人の物語が自分の物語となる感覚と近いものを感じたのが、今年の上映作品だと『すばらしき世界』と『映画大好きポンポさん』。

これは劇中でも語られるし、めちゃくちゃ納得する部分でもあり、評価した部分でもある。
そこを体感的に観たのが『逃げた女』と『ファーザー』です。

したがって、本作『ファーザー』では時系列や経緯の正確性を考えたり探るのではなく、アンソニー同様に今見えている現実、映像に振り回され、騙されてほしい。
そうすることで、少なからず世界の見え方が変わると思うんです。


勿論、映画としての出来も良くてそこに引き込まれるというのもあるんです。
アンソニー・ホプキンスやオリビア・コールマンの演技あってのものってのも頷けます。

アカデミー賞授賞式の主演男優賞をアンソニー・ホプキンスが受賞した時のあの空気。
チャドウィックボーズマンの『マ・レイニーのブラックボトム』も後に観ましたが「いやいや、主演男優賞はアンソニー・ホプキンスしかないだろう」と思いましたよ。

そんな演技や映画的な上手さの中で、観客を巻き込む吸引力がとてつもないんですよね。
これって創作が持つポテンシャルというか創作が受け手に与える力をまざまざと見せつけられた感じですね。
今年の映画を語る上では外せない一作かなあと。

ちなみに、個人的にアンソニー・ホプキンスが大好きということもあって贔屓目には見てます(笑)





・1位

『アンテベラム』
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(C)2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


ジャネール・モネイが境遇の異なる2人の人物を1人で演じた異色スリラー。
製作に『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサー、ショーン・マッキトリック。


『アンテベラム』は考察ブログにも書きましたが、絶っっっっ対にネタバレを読まずに観た方がいいです。
何も知らずに観に行くことで感じるものこそがこの物語のメッセージとして最も重要なことで、そこで振り回されて自分の価値観と向き合ってもらいたい。

そういう考えではいるので、正直なところ『アンテベラム』はネタバレなしで話すのはかなり難しいです。

とりあえず、本作『アンテベラム』も沈黙がキーとなっていることから、『羊たちの沈黙』のポスターオマージュが使用されている点でも大好きな映画であることは間違いないです。

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まるで悪夢を見ていたかのように。
ある大きな仕掛けがちゃんと劇中で分かりやすく開示される。
それまでの違和感、点と点が線で繋がった時に押し寄せてくる感情…物凄く胸糞悪い。

『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサーとのことで、内容は概ね予想した通りではありましたが、冒頭から凄まじい。
この2作のようなコミカルさはなく、シニカルに描いています。

人種差別だけでなく、性差別やマチズモ的な思想に至るまで、ウィリアム・フォークナーの言葉の引用
「過去は決して死なない。過ぎ去りさえしないのだ。」
で我々観客をぶん殴ってくる。
観客の先入観や固定観念を利用した映画的でありながら実に見事な作劇。

『ゲット・アウト』は、黒人差別の裏をついて人間の意識の奥底にある偏見を呼び起こす物語。
『アス』では、奴隷解放宣言からの公民権運動を経たアファーマティブ・アクション、表面化する偏見や差別意識に焦点を当てた物語。
そして本作『アンテベラム』は、人類の負の歴史を通して、現在も尚根強く残る差別意識を可視化した物語となっていますね。

本作の脚本は監督の見た悪夢にインスパイアされて作られています。
そうです、我々観客が目を覚めなければならないんです。
現実に在る悪夢から。









終わりに


改めて、レクの2021年映画ベスト10はこちら!

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①アンテベラム
②ファーザー
③逃げた女
④聖なる犯罪者
⑤Swallow/スワロウ
⑥すばらしき世界
⑦デンマークの息子
⑧スケーターガール (Netflix)
⑨まばたかない瞳 バンガロール連続誘拐殺人
⑩偶然と想像



今年も素敵な映画にたくさん触れられて充実した一年が送れました。

ということで、今年のブログ更新も最後になります。
来年も当ブログ『小羊の悲鳴は止まない』と私レクを、何卒よろしくお願いいたします。


来年も皆様にとって素敵な映画に出会えますように。
良いお年を!