【第一回】勝手に韓国映画強化月間
初めに
こんばんは、レクと申します。
Twitterで度々お世話になっております
"1日1本オススメ映画"
というタグで彼これ約4年ほど不定期に好きな映画を紹介させていただいているのですが、"勝手に韓国映画強化月間"と題して好きな韓国映画を連日オススメしよう!という試みを行いました。
結果、僕のツイートを見て「韓国映画を観よう!」となったのかはわかりませんが、自己満足ということで(笑)
現在は【第二回】勝手に韓国映画強化月間を開催しておりまして、この度の記事は前回【第一回】勝手に韓国映画強化月間のまとめとなります。
いつものように記事らしい記事では御座いませんが、映画を選ぶ際の参考程度になれば幸いです。
韓国映画紹介
ここからはツイートでオススメした映画のまとめになります。
ツイートの添付と、映画の内容ではなく何故この映画をオススメに挙げたのか?を個人的見解で簡単にコメントしています。
悪魔は誰だ
「悪魔は誰だ」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月21日
時効を迎えた未解決誘拐事件と同じ手口の誘拐事件が再び発生、犯人逮捕を願う被害者の母親と犯人を追う刑事。
罪の意識とその重さ、無慈悲な時間、そして蘇る悪夢。
悪に魂を売った犯人は誰なのか?
悲壮感と遺恨、ミステリーに惹き込む完成度の高い脚本は圧巻!#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/ZGm655l4qw
謎解き要素が盛り沢山で、どんでん返し系映画が好きな方にもオススメできるサスペンス映画です。
正直、初めての鑑賞時は構えていても驚きました。
Netflix配信でインド版リメイクもあります。
内容はほぼ一緒ですが多少の改変点はあります。
「真実を知る者」観た。
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月5日
8年前の未解決の幼女誘拐事件と全く同じ手口の誘拐事件が発生し、その真実に迫っていくサスペンスミステリー。
韓国映画『悪魔は誰だ』のリメイクで、細かい設定や演出は異なるものの大筋はほぼ同様。
過去と現在の錯綜、伏線と回収、ミスリード、歌って踊らないインド映画。 pic.twitter.com/AaeNsS5wIM
あいつの声
「あいつの声」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月21日
韓国三大未解決事件のひとつ、イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件を基に描く。
時効間近での封切りと実際の犯人の脅迫電話の肉声を流す韓国の姿勢。
雲を掴むような捜査、苛立ちと欺瞞。
犯人が仕組んだ巧妙な取引に踊らされ、幾度となく繰り返される脅迫電話に恐怖する。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/4eXhEE2bo5
殺人の追憶
「殺人の追憶」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月23日
韓国三大未解決事件のひとつ、華城連続殺人事件を基に作られた刑事ふたりと容疑者の重厚な骨太サスペンスドラマ。
何気ない日常の延長線上にある非日常と不条理さ。
"犯人は今もどこかで生きている"
すぐそこにある見えない恐怖をマクロな人間描写へと繋げる。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/ad4yIOF1KC
カエル少年失踪殺人事件
「カエル少年失踪殺人事件」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月24日
韓国三大未解決事件のひとつ、カエル少年事件を基に映画化。
勝手な憶測ほど残酷なものはない。
ノンフィクションにフィクションを絡ませ、被害者遺族を傷つけたマスコミと警察の行動が未解決で時効を迎えた一因であると糾弾するメッセージを残す。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/xGjjoWzEPq
この3作は韓国三大未解決事件をそれぞれ映画化したもの。
最初に紹介した「悪魔は誰だ」も「あいつの声」同様に"イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件"に着想を得たらしいです。
「殺人の追憶」の"華城連続殺人事件"は容疑者特定のニュースで再度話題となりましたね。
あくまで創作である映画を通して実際に起こった出来事を知ることができる。
この重要性を僕は説きたい。
光州5・18
「光州5・18」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月25日
1980年に起こった光州事件を描く。
全国に敷かれる戒厳令。
穏やかな日常から一転、暴徒鎮圧という名目で国民を奈落へと突き落とす苛烈で無慈悲な暴力。
歴史を知る為にも一見の価値はある。
韓国が自国の禁忌に触れたこの作品は韓国映画のマストと言えるだろう。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/8hQJb8dsr3
「タクシー運転手」、「1987、ある闘いの真実」、「工作 黒金星と呼ばれた男」と"民主化三部作"と呼ばれる韓国映画が連年公開されました。
この「タクシー運転手」と同時系列、1980年に起こった光州事件を扱った映画です。
韓国の歴史を知るためには是非観てほしい映画の一つですね。
傷だらけのふたり
「傷だらけのふたり」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月26日
チンピラ男が取り立て先の娘に一目惚れしてから始まる、不器用な男の人生最後の恋。
歪に見えて真っ当な純愛、絶妙な距離感、切なさと感動の嵐。
ど直球な展開ながら圧倒的演技力で魅せる愛が溢れる珠玉のラブストーリーは見るものの心を掴んで離さない。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/o6ck8bWUFi
こちらは僕の韓国映画ベスト10にもランクインするくらい好きな映画です。
とはいえ、これまでご紹介してきた映画のように実際の事件を扱ったものではなく、不器用な男の恋物語。
派手さはないものの、「工作 黒金星と呼ばれた男」でも主演を務めたファン・ジョンミンの演技が素晴らしいので是非。
復讐者に憐れみを
「復讐者に憐れみを」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月26日
パク・チャヌク監督による復讐三部作1作目。
病気の姉のために身代金誘拐に手を染めた男と娘を誘拐された男の悲劇の交錯。
事の顛末をしっかりと描いた説得力と動機付け。
善悪の二元論では語れない同情心、抑制の効いた虚無感、悲憤と痛みに言葉を失う。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/OAx4tAltsc
オールド・ボーイ
「オールド・ボーイ」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月28日
パク・チャヌク監督による復讐三部作2作目、日本の漫画原作。
15年間自分が監禁された理由を解き明かすために奔走する。
犯人の動機と行動、日常生活の延長線上に起こり得る人間の残虐性の中に魅せる感情的な生々しさが、この過激な暴力として存在している。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/GtjdSlNlsI
親切なクムジャさん
「親切なクムジャさん」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月28日
パク・チャヌク監督による復讐三部作3作目。
魔女のような邪悪さの奥にある天使の顔、冤罪で服役した婉美な復讐の女神。
二面性を意識した白と赤のコントラストで表現される祈りと赦し。
復讐心に駆られた女性の"親切さ"とは一体誰に対する恩寵なのか。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/JI3VVZSzNo
この3作はパク・チャヌク監督の代表作とも言える"復讐三部作"です。
順番も公開順で、最もメジャーなのはハリウッドリメイクもされた二作目「オールド・ボーイ」。
韓国では強い復讐心はじわじわと追い詰め痛めつけるのがセオリーらしく、パク・チャヌクらしい痛々しい描写や精神的に来るものがあり、見応え十分です。
パク・チャヌクとは別の監督作品ですが、復讐劇の傑作「悪魔を見た」も貼っておきます。
「悪魔を見た」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年5月5日
悔しさと遣る瀬無さ、憎悪と虚無、そこから生み出されるひとつの感情。
婚約者をバラバラに殺害され、犯人に復讐を誓う刑事。
狂気と激昴、悪と正義に境界線などはなく、人と悪魔にもまた、境界線はないのかもしれない。
あなたはこの絶望に"悪魔"を見るだろう。
#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/AYD6Yb0NUk
JSA
「JSA」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年9月30日
南北の軍が共同で警備に当たるJSAで起こった射殺事件の調査で、事の真相が明かされていく軍事ミステリー。
北緯38度線を境に南北の兵士達に芽生えた友情、そこに隔てるのは互いに睨み合う国家の存在。
南北間での緊張と和解の交差、虚しく切ない現実を突きつける。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/bmnIxA8FaZ
こちらもそんなパク・チャヌク監督の代表作の一つです。
先程の"復讐三部作"よりも前に作られた今作では南北の秘密裏な友情が描かれます。
韓国映画では割と北と南の緊迫した関係性をテーマとする映画が多いんですが、その中でもひとつ頭が抜きん出てる作品ではないでしょうか。
名もなき野良犬の輪舞
「名もなき野良犬の輪舞」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月1日
犯罪組織でナンバーワンに成り上がるという野望を抱いた受刑者と野心を持った若者、2人の犯罪者の劇的な出会いと結ばれる絆。
敵か味方か、信頼と裏切りの境界線。
アンバランスな関係とアンビバレントな感情に男臭さを足した韓国ノワールの傑作。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/fnB52F7m3F
これは韓国映画で定番の所謂"韓国ノワール"と呼ばれる映画カテゴリーに属する作品です。
よく混同されるのがクライム映画。
クライムとノワールの違いというのは自分の中で明確にあります。
クライム映画は犯罪そのものを物語の主軸として描く作品。
ノワール映画は犯罪を通して心の闇(悲愴、虚無、絶望感など)に重きを置かれた作品として認識しています。
まさにこれ!男臭さがたまらんです。
冬の小鳥
「冬の小鳥」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月2日
韓国から養子としてフランスに渡ったウニー・ルコント監督が過ごしたカトリック系児童養護施設での体験に着想。
拾われる有難みと捨てられた痛み、切望と諦念、希望と喪失感。
2つの感情が複雑に交差、子供たちの気骨のある溌剌とした生命力が鮮やかに映し出される。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/oYCssuzyBD
毛色変わってこちらは韓国に生まれフランスで育ったウニー・ルコント監督が実体験の経験から制作した映画。
派手さはないもののキム・セロンの演技力には脱帽。
「アジョシ」の子役で一躍有名となったキム・セロンのデビュー作。
2019年日本公開「守護教師」では大人になってましたね。
グッド・バッド・ウィアード
「グッド・バッド・ウィアード」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月3日
『続・夕陽のガンマン』にインスパイアを受け、韓国を代表する三大俳優を起用したキムチ・ウエスタン。
満州を舞台に大日本帝国軍が残した地図を巡って様々な勢力が入り乱れる。
善人、悪人、変人、己が正義を胸に荒野を縦横無尽に駆け回る。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/ke9vllTbsW
「続・夕陽のガンマン」にインスパイアされて創作された韓国版西部劇"キムチ・ウエスタン"。
こちらはバリバリのアクションで韓国らしさはあまりありませんが、良い奴と悪い奴と変な奴、略して"奴奴奴(ノムノムノム)"と呼ばれるくらいには韓国でも受け入れられているようです。
ただ君だけ
「ただ君だけ」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月3日
チャップリンの名作『街の灯』をモチーフにしたラブストーリー。
過去の罪を抱え生きる元ボクサーと盲目だが強く生きる女性の2人の純愛が描かれる。
目で見えるものだけが全てではない。
彼女が見たいと望んだのはただの景色ではなく、2人で一緒に見る景色なのだ。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/KTzcCBO0PM
こちらは喜劇王チャールズ・チャップリンの名作「街の灯」をモチーフに制作されたラブロマンス。
韓国映画はラブストーリーやノワールなどのオリジナルにも力を入れているのですが、このようにリメイクやインスパイアなど他国の映画に刺激を受けて創作する前向きな姿勢が好きです。
尚且つ自国の汚点をしっかりと認めて受け入れる姿勢も強い。
「ビューティー・インサイド」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年5月3日
眠りから目覚める度に顔や性別、年齢が変わってしまう男がひとりの女性を愛してしまう。
非現実的なアイデア設定と外見よりも中身が大事という美化されたラブロマンスの中に、相手を想う気持ちや葛藤、繊細な心情が丁寧且つ優しく描き込まれる。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/pUZAFP4K8N
韓国のラブロマンスなら「ビューティー・インサイド」も好きです。
ブラインド
「ブラインド」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月6日
二度リメイクされた『見えない目撃者』のオリジナル。
"死ぬまでにこれは観ろ!2018"にも選ばれた韓国サスペンス。
視覚障害者の警察大生が婦女拉致事件の目撃者となる。
邦画リメイクと構成が異なり倒叙形式が取られている分、追い詰められる恐怖心が煽られる。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/b7bR5hg0Ml
2019年公開された吉岡里帆主演映画「見えない目撃者」のオリジナル。
中国、日本とアジアで二度リメイクされるほど魅力のある設定。
邦画リメイクとは大きく異なる点が多いのも特徴で、邦画を観て興味を持たれた方はこちらを観ると二度楽しめますよ。
ネタバレありの比較考察記事も置いておきますね。
痛み
「痛み」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月8日
事故の後遺症で痛みを感じない男と僅かな傷が致命傷になってしまう難病の女の間で育まれる愛の物語。
無痛症と血友病、対照的な病と心に抱く苦悩が重なり合うことで生まれる共通の痛み。
歪んだ人生を歩んできた2人の真っ直ぐな想いが、互いの足りない部分を補い合う。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/a7lcbT4QCF
オーソドックスな韓国映画らしい韓国映画と言っていいでしょう。
何かしらの弊害のある恋愛、そしてそこに至る心理描写。
プロットは既視感がありありふれたものかもしれませんが、映画というものは感情で観るものでもあります。
心揺さぶられる何かがあればどんな凡作も傑作になるんです。
誰かの心に響いてほしい、そんな映画。
受取人不明
「受取人不明」
— レク (@m_o_v_i_e_) 2019年10月28日
米軍基地のある村を舞台に描かれる貧困、差別、暴力は物語る上での背景に過ぎず、青春の群像劇へ溶け込む。
何かに縋る想いが負の連鎖を引き込み、枯渇する愛が求める潤いは絶望を引き寄せ、共感を抱かせない構成は問題提起に目を背ける人間の視点を引きずり出す。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/eflOj7sp8Y
韓国を代表する恋愛を拗らせる監督キム・ギドクが贈る青春群像劇。
キム・ギドク監督が作る映画は常識では考えられない歪な形から人間の本質を描くものが多く、それが恋愛であったり家族愛や友情であったり。
この映画では蓄積する日々の鬱憤の中で希望を糧に生きる若者たちの姿を捉えているキム・ギドク監督作の中では見易い方かと。
終わりに
今後もこのような形ではありますが、不定期に開催する"勝手に韓国映画強化月間"でオススメさせていただいた映画を纏めて記事にしていこうと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。